事件の基本情報
| 裁判所 | 東京高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成21(行コ)168 |
| 判決日 | 2010-10-13 |
| 分類 | 労働 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点は,原判決の「事実及び理由」中「第2 事案の概 要」の1及び2に記載のとおりであるから,これを引用する。 争点に関する当事者双方の主張は,後記3及び4のとおりである。 なお,訴訟承継前第1審原告P3は原審口頭弁論終結後の平成▲年▲月▲ 日に死亡し,被控訴人P5が,相続により同人の権利義務を承継したことに 伴い,当審において,同人の訴訟手続を承継した。 - 1 - 3 被控訴人らの主張 (1) 労災保険法7条1項1号の「業務上の疾病」の意義 ア 労災保険法7条1項1号の「業務上の疾病」とは,業務と疾病との間 に合理的関連性があることで足りる。 仮に,業務と疾病との間に相当因果関係が必要であるとしても,業務 が相対的に有力な原因であることは要せず,業務の遂行が基礎疾患等を 誘発又は増悪させて発症の時期を早めるなど,業務が基礎疾患等と共働 原因となって疾病の発症や死亡の結果を招いたと認められる場合には, 当該疾病は「業務上の疾病」と解すべきである。すなわち,① 被災労 働者の従事した業務が,同人の基礎疾患をその自然経過を超えて増悪さ せる要因となり得る負荷(過重負荷)のある業務であったこと,② 被 災労働者の基礎疾患がその自然経過により脳・心臓疾患を発症させる直 前まで増悪していなかったことが認められる場合には,業務起因性が肯 定される。そして,被災労働者は,通常の日常業務を支障なく遂行して いたことを立証すれば,当該被災労働者の基礎疾患は確たる発症因子が なくてもその自然経過により脳・心臓疾患を発症する寸前にまで進行し ていたとは認められないとして,上記②の要件を充足するものと解すべ きである。 イ また,上記①の過重負荷の判断は,基礎疾患等を有し又は基礎疾患等 を発症した当該労働者を基準として業務の過重負荷の有無及び程度を判 断すべきであり,仮に,当該労働者を基準としないとしても,使用者に よって労務の提供が期待されている者の中で最も危険に対する抵抗力の 弱い者を基準として,医学的経験則ではなく一般経験則に照らし,脳・ 心臓疾患の発症の基礎となる血管病変等をその自然経過を超えて有意に 増悪させ得ることが,客観的に認められる負荷といえるか否かによって 判断するのが相当である。 - 2 - ウ 新認定基準は,行政の適正,迅速処理などの運用のための内部通達とし て定められたものであり,業務起因性の判断について,裁判所を拘束する ものではない。 (2) 亡P2の業務の量的過重性について ア 発症前6か月間の時間外労働時間 タイムカードその他の証拠により,最低限認められる亡P2の発症前 6か月間の労働時間は,原判決別表1のとおりである。すなわち,各月 の時間外労働時間は,発症前1か月目(平成8年7月26日から同年8月 24日まで)は42時間33分,発症前2か月目(同
主文(判決文より)
原判決を取り消す。 被控訴人らの請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は,第1,第2審とも,被控訴人らの負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。