事件の基本情報
| 裁判所 | 東京高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成22(行コ)191 |
| 判決日 | 2010-11-11 |
| 分類 | 行政 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 民事訴訟法156条、行政事件訴訟法7条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点(1)(本件文書3①及び本件文書5の本件条例6条6号イ該当性)につい て (1) 本件条例6条は,実施機関(区長,教育委員会,選挙管理委員会,監査委 員及び議会をいう。本件条例2条1号)は,公開請求があったときは,公開 請求に係る公文書に次の各号のいずれかに該当する情報(非公開情報)が記 録されている場合を除き,公開請求者に対し,当該公文書を公開しなければ ならない旨規定し,同条6号は,実施機関,国,独立行政法人等,他の地方 公共団体又は地方独立行政法人(以下「実施機関等」という。)が行う事務 又は事業に関する情報であって,公にすることにより,次に掲げるおそれそ の他当該事務又は事業の性質上,当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及 ぼすおそれがあるものが非公開情報に当たるとし,同号イは,契約,交渉又 は争訟に係る事務に関し,実施機関等の財産上の利益又は当事者としての地 位を不当に害するおそれを例示するものである(甲2)。 ところで,本件条例は,公文書の公開を請求する区民の権利を明らかにす るとともに,公文書の公開等に関し必要な事項を定めることにより,区民の 知る権利を保障するとともに,区が区政に関し区民に説明する責務を全うす るようにし,もって公正で開かれた区政の進展を図ることを目的として設け られたものであり(本件条例1条),この趣旨から,本件条例6条は,区の 保有する情報は公開することを原則とし,非公開とすることができる情報を 限定したものと解される。 - 3 - そして,本件条例6条6号イが,「争訟に係る事務」に関する情報が記録 された公文書を非公開とすることができる旨定めている趣旨は,実施機関等 が一方当事者として争訟に対処するための内部的な方針に関する情報が公開 されると,それが正規の交渉等の場を経ないで相手方当事者に伝わるなどし て,紛争の公正,円滑な解決を妨げるおそれがあるからであると解され(最 高裁平成8年(行ツ)第236号同11年11月19日第二小法廷判決・民 集53巻8号1862頁参照),同規定にいう「争訟に係る事務」に関する 情報とは,現在係属し又は係属が予想される争訟についての対処方針の策定 やそのために必要な事実調査など個別具体的な争訟の追行に係る事務に関す る情報にとどまらず,一般的な争訟事務に関する対処方針の策定や事実調査 の手法などの情報をも含むものと解するのが相当である。一方,争訟の対象 となる行政上の行為の行われる過程において,当該行政上の行為の適正を保 持するために作成され,取得された文書は,争訟に係る事務に関して作成さ れ,取得された文書ではないことからすると,これが,当該行政上の行為に 係る争訟において証拠として提出されることがあり得るとしても,直ちにこ れを争訟に係る事務に関する情報であると解することはできない
主文(判決文より)
1 原判決中,控訴人の次の請求に係る敗訴部分を取り消す。 (1) 渋谷区教育委員会が平成21年4月27日付けで控訴人に対してした 公文書非公開処分(ただし,「A学級の平成19年度,平成20年度の 予決算書及び会計書類の全て」に係る部分を除く。)の取消しに係る請 求部分 (2) 渋谷区教育委員会が平成21年6月17日付けで控訴人に対してした 公文書非公開処分の取消しに係る請求部分 2 渋谷区教育委員会が平成21年4月27日付けで控訴人に対してした公 文書非公開処分(ただし,「A学級の平成19年度,平成20年度の予決 算書及び会計書類の全て」に係る部分を除く。)を取り消す。 3 渋谷区教育委員会が平成21年6月17日付けで控訴人に対してした公 文書非公開処分を取り消す。 4 訴訟費用は,第1,2審を通じてこれを2分し,その1を控訴人の負担 とし,その余を被控訴人の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。