事件の基本情報
| 裁判所 | 東京高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成22(行ケ)21 |
| 判決日 | 2010-11-17 |
| 分類 | 高裁 |
| 判決文が挙げた条文 | 憲法43条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点 本件定数配分規定が憲法に違反するか。 3 原告の主張 (1) 投票価値の平等は民主主義の基本である。 憲法前文第1段第1文冒頭の「正当(な)選挙」とは,「国民の多数が多数 の国会議員を選出する仕組みの選挙」を意味する。民主主義の根幹ルールは, 主権者たる国民が,「正当に選挙された国会における代表者を通じて」,実 質的な意味での多数決(形式的には国会議員の間での多数決,実質的には, 主権者たる国民の間での多数決)で,立法,行政を支配することである。参 議院選挙区選出議員定数146人の過半数74人を選出する有権者数は約 3448万人で,全有権者数約1億0400万人の33%でしかなく(甲 4),少数の国民(全人口の33%)から構成される選挙区の合計から選出 される国会議員(74名)が,選挙区選出の全国会議員(146名)の多数 を占めることは,憲法前文第1段第1文冒頭の「正当(な)選挙」の定めに違 反する。 (2) 「二院制の中での参議院の独自性」は,投票価値の平等を減殺するため - 2 - の正当化事由たり得ない。 憲法43条は,「両議院は,全国民を代表する選挙された議員でこれを組 織する。」と定めており,衆議院議員も参議院議員も,ともに「全国民を代 表する選挙された議員」である点では何らの差異もない。参議院の独自性は, 国会が「1人1票」を前提として,その高度の政治的裁量によって設ければ よいことである。例えば参議院選挙を全国区1本とし,衆議院選挙を小選挙 区とするなどの方法が考えられる。 (3) 「1人1票」の憲法上の権利は,都道府県間の境界の維持等の憲法外の 利益に優越する。 都道府県,市町村その他の行政区画,従来の選挙の実績,選挙区としての まとまり具合,面積大小,人口密度,住民構成,交通事情,地理的状況など は憲法上保護される利益ではない。これらの要素を理由とし,関係する地域 に居住する国民の1票の価値を増減することは憲法に反する。 (4) 国会議員は,1票の較差問題の当事者又は利害関係者である。従って, 国会議員は,裁量権を持って1票の較差問題につき判断する資格を欠く。 この問題につき,利害関係者の立場に立つ国会議員から成る国会に,合理 的な範囲内での調整を許容する最高裁平成19年6月13日大法廷判決・民 集61巻4号1617頁は,憲法前文第1段第1文,第2文,15条3項, 14条,44条,56条2項に違反する。 (5) 1983年米国連邦最高裁判所の判決がニュージャージー州における米 国連邦下院議員選挙において,同選挙区間の1票対0.993票の最大較差 ですら,違憲・無効とした(甲2の2)。 4 被告の主張 (1) 憲法は,いかなる選挙制度が国民の利害や意見を効果的に国政に反映させ 得るものであるのかについての決定を国会の裁量にゆだねているから
主文(判決文より)
1 原告の請求を棄却する。ただし,平成22年7月11日に行われた参議院 (選挙区選出)議員選挙の東京都選挙区における選挙は違法である。 2 訴訟費用は被告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。