報酬支出差止請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成21年(行ウ)第231号)

事件の基本情報

裁判所東京高等裁判所
事件番号平成22(行コ)339
判決日2011-02-09
分類高裁
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及び争点に対する当事者の主張の要点は,
- 1 -
次の2及び3のとおり,付け加えるほか,原判決「事実及び理由」中の「第2
事案の概要等」の「1」ないし「4」記載のとおりであるから,これを引用
する。
2 控訴人が当審において追加又は敷衍した主張
本件各委員に対する月額報酬の支給は,地方自治の本旨からかけ離れ,また,
他の道府県の選挙管理委員や議員の報酬との比較から見ても,金額が高額に過
ぎ,明らかに違法であるから,その差止めが認められるべきである。
(1) 選挙管理委員の職務内容は法定されており,委員に任命される者の資質に
着目し,その学識や経験を職務に生かして行政権を担うことが期待されてい
る。そして,選挙管理委員等の非常勤報酬は,その学識や経験を職務に生か
して貰うことに対する「謝金」としての性格を有するものである。
したがって,その勤務の質及び量に相応する報酬を支給する必要はあるが,
その職責の大きさ及び自治体の規模の大きさ等を強調し,勤務量の実情を度
外視した月額報酬制を採ることは,法203条の2第2項の趣旨を逸脱して
いる(大阪高裁平成22年4月27日判決・判例地方自治331号53頁以
下。以下「大阪高裁判決」という。)
(2) 本件各委員の職務内容は,毎月2回の定例会への出席,選挙が行われる場
合の臨時会への出席,選挙啓発活動であり,委員長は,このほか,関連団体
への会合に出席することがあるが,選挙がなく,定例会しか開かれなかった
平成21年5月及び10月は,2回の会議出席のみが職務内容で,1日当た
り,委員長は26万6000円,各委員は21万7500円の報酬を得たこ
とになる。
(3) 報酬の額の比較においては,本件各委員の報酬と国の非常勤委員等の報酬
限度額とを対比することが1つの基準となるが,前者が後者の3倍を超える
ような場合は,当不当を超え,裁量の範囲を超えて違法というべきである(大
阪高裁判決)。
- 2 -
本件各委員の報酬額を,国の非常勤委員等の報酬限度額である日額3万5
300円と比べると,委員長は7.54倍,各委員は6.16倍もの高額な
報酬が支給されたことになる。
また,平成21年4月から12月までの平均を見ても,都議会議員選挙及
び衆議院議員選挙が行われた年であるにもかかわらず,1か月当たり,委員
長で3.89日,各委員で3.11日から3.33日の出勤日数に止まり,
1日の報酬額を国の非常勤委員等の報酬限度額と比較すると,委員長で3.
77倍,各委員で3.08倍にもなる。
したがって,本件においては,本件各委員に対し,明らかに裁量の範囲を
逸脱した違法な報酬の支給があるといわざるを得ない。
(4) 各都道府県について,都道府県議会議員の報酬額と選挙管理委員の報酬額
との比較を一覧にしたものが別表1である。
これによる

主文(判決文より)

1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は,控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。