事件の基本情報
| 裁判所 | 東京高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成23(行コ)89 |
| 判決日 | 2011-08-04 |
| 分類 | 高裁 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 所得税法36条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点,争点に関する当事者の主張 の要旨は,次のとおり付加するほか,原判決の「事実及び理由」第2の1ない し4に記載のとおりであるから,これを引用する。 (当審における控訴人の主張) (1) 個々の組合員に属する組合損益(任意組合等の事業活動から生じる損益) の計算方法については,総額方式が原則であり,中間方式(損益計算書の項 目だけ各組合員に配分する方法)や純額方式は,例外的な計算方法にすぎな いものであって,総額方式による計算が煩雑,困難であるなどの合理的な理 由がないにもかかわらず,便宜的な方式を利用することは,これを許容した 法の趣旨に反するものである。原判決は,所得税法の合理的な解釈に従った 本件通達の内容を誤解したものであり,ひいては所得税法36条,37条の 解釈・適用を誤った違法がある。 すなわち,民法上の組合は個々の組合員の共同事業体であり,組合が行っ た事業活動は,各組合員自身がその分配割合に応じて行った事業活動として 観念される。そのため,組合が行った事業活動の全てをその分配割合に応じ て各組合員に帰属させて税額計算を行うことが,民法上の組合の権利関係か らみて適切であり,組合損益の計算方法としては総額方式こそが正当な計算 方法である。これに対して,中間方式及び純額方式は総額方式が要求する厳 密な組合損益の取り込み計算を簡便にし,もって納税者の申告の便宜を図る ための例外的な計算方法にすぎない。本件通達は,申告納税制度の円滑な維 持という観点から,総額方式による計算が煩雑,困難であるなど,原則的な 計算方式を強いることができない場合に,やむなく例外的な手法の選択を許 すという解釈上当然の前提が介在しており,上記のような合理的な理由がな いにもかかわらず,これを中間方式又は純額方式という計算の便宜を図るた めの方式を利用することは,本件通達が中間方式及び純額方式という計算方 法を許容した趣旨に反するものであって許されない。 - 2 - 被控訴人は,総額方式による申告納税が可能であったにもかかわらず,純 額方式による計算を行っており,このような場合に純額方式の適用ができな いことは明らかであって,総額方式に従って組合損益の計算を行った本件各 更正処分はいずれも適法というべきである。 (2) 仮に原判決の理解を前提にしても,中間方式又は純額方式を採用した納税 者が,その後,特段の事情もないのに異なる方式を採用したときは,継続し て計算をしている場合とはいえず,遡って例外的な方式である中間方式又は 純額方式の適用が否定されるべきであるから,本件A組合の平成17年分に つき被控訴人自らが総額方式に従って組合損益の計算を行った本件において は,それ以前に純額方式に従って損益計算した組合損益についても継続適用 の要件を満たすか否かを見直す必要がある。本件
主文(判決文より)
1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。