退職金請求控訴事件(通称 神奈川県私立大学理事退職金請求)

事件の基本情報

裁判所東京高等裁判所
事件番号平成23(ネ)6724
判決日2012-03-07
分類高裁
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点(1)(退職金不支給事由)について
被控訴人は,学校法人神奈川歯科大学役員退任慰労金規程により支
給される理事としての退職慰労金の請求権を既に放棄し(甲6),本
件訴訟においては,本件退職金規程(甲3)により支給される労働者
としての退職手当の支払を請求する。
これに対し,控訴人は,退職手当の支給制限を定める本件退職金規
程7条(1)号ただし書の『不都合の所為』には,控訴人の従業員が理
事を兼ねる場合には,理事としての善管注意義務違反の行為も含まれ,
かつ,被控訴人には,本件投資について理事としての善管注意義務違
反があったから,本件退職金規程に基づく従業員としての退職手当の
不支給事由があるというべきであって,退職手当請求権は発生しない
旨主張する。
そこで判断するに,本件退職金規程(甲3)は,その1条及び2条
において,退職手当の支給対象は,学校法人神奈川歯科大学に勤務す
る専任の教員及び職員(年俸職員を除く。以下『教職員』という。)
であることを定め,3条において,退職手当は,本人が退職を願い出
て承認されたとき,控訴人の都合により解雇されたとき(懲戒解雇を
除く。)等に支給されることを定め,退職手当の支給制限を定める7
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条は,(1)号本文において,懲戒解雇処分を受けた者には退職手当を支
給しないことを定め,ただし書で,『懲戒解雇処分に至らない場合で
も不都合の所為が認められ退職する者に対しては支給しないか,情状
により減額して支給することがある。』と定め,(2)号本文において,
刑事事件に関し起訴された者が,その有罪判決の確定前に退職した場
合には,退職手当を支給しない趣旨を定め,ただし書で,禁固以上の
刑に処せられなかったときはこの限りでないと定め,(3)号で,在職期
間が1年未満の者を除外することを定める。しかし,教職員が理事を
兼務し,理事としての義務違反があった場合の退職金不支給等につい
ては何ら定めるところがなく,そもそも理事などの役員について言及
する定めはない。そして,控訴人が被控訴人の退職手当請求権の発生
を阻止する根拠と主張する7条(1)号ただし書は,同号本文と照らし合
わせてみれば,教職員が,懲戒解雇処分は受けないまでも,懲戒解雇
事由に準じる非違行為(『不都合の所為』)があってこれにより退職
する場合には,退職金を支給しないか減額することができる旨を定め
る規定であることは明らかである。そうすると,この規定が,懲戒解
雇があった場合に準じる場合を定めるものである以上,『不都合の所
為』とは,懲戒解雇の対象となり得る従業員(教職員)の行為に限ら
れ,その対象になり得ない理事の行為を含まないと解するのが相当で
ある。したがって,7条(1)号ただし書を根拠として,被控訴人の理事
としての善管注意義務違反の行為が,従業員

主文(判決文より)

本件控訴を棄却する。
控訴費用は控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。