停職処分取消等請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所東京高等裁判所
事件番号平成24(行コ)50
判決日2012-11-07
分類高裁
判決種別判決
判決文が挙げた条文国家賠償法1条1項

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及び争点に関する当事者の主張は,次の3及び4のとおり
当審における控訴人の主張及び被控訴人の主張を付加するほか,原判決「事
実及び理由」の「第2 事案の概要」の1,2(4),(5)及び3(4),(5)に記
載のとおりであるから,これを引用する。ただし,専ら原審相原告Aに関す
る部分を除く。
3 当審における控訴人の主張
(1) 国家賠償法上の違法性及び都教委の故意・過失
ア 公務員が,職務上通常尽くすべき注意義務に違反したときは,国家賠
償法1条1項の違法性があり,この場合,故意・過失もあるというべき
であるところ,懲戒権者は,懲戒処分をするに当たっては,平等取扱原
則,公正原則,比例原則(懲戒事由と処分量定の比例的合理的対応)を
考慮し,自らが定めた処分基準を遵守する注意義務,実質的な二重処分
を行わない注意義務を負っている。
とりわけ,君が代斉唱時の起立斉唱を命ずる職務命令は思想・信条の
自由を間接的に制約する面を有することからすると,上記職務命令違反
- 2 -
に関して懲戒処分をするに当たっては,同種の処分歴があっても漫然と
累積加重して減給以上の懲戒処分を選択することは許されず,減給以上
の懲戒処分を選択することの相当性を基礎付ける具体的な事情が認めら
れる場合でないときは減給以上の懲戒処分を選択してはならない注意義
務を負っている。
イ 都教委は,本件が,君が代斉唱時の起立斉唱を命ずる職務命令違反の
事案であることを認識しながら,漫然と累積加重して停職処分を選択し
たのであるから,裁量権逸脱の違法,注意義務違反は明らかである。本
件は,減給以上の懲戒処分を選択することの相当性を基礎付ける具体的
な事情が認められる場合でなく,このことは容易に判明する事実である
から,注意義務違反に故意・過失が存することも明らかである。
都教委の「教職員の主な非行に対する標準的な処分量定」(以下「本
件標準量定」という。)によれば,職務命令違反は戒告・減給相当とさ
れており,本件処分の選択は,本件標準量定を超えている。これは,実
質的には,過去の処分歴を理由に質的に異なる処分を選択したことにな
るから,過去の処分歴に対する二重処分に等しい。
本件職務命令違反という懲戒事由は,都教委が作出したものである。
すなわち,君が代斉唱時の不起立という受動的・防衛的態度をもって処
分を科すべき「非違行為」とする根拠はなかったため,都教委は,通達
を発出し,校長の職務命令を一律に介在させることで,職務命令違反行
為を作出した上で,非違行為を顕在化させ,処分を科した。本件処分は,
不起立者をなくすとの強固な意図をもってされたのである。
累積加重処分を機械的に適用することで本件標準量定を超えて停職処
分を選択することは,比例原則を考慮しないということであり,注意義
務に違反して違

主文(判決文より)

1 原判決中控訴人の損害賠償請求に係る部分を次のとおり変更する。
(1) 被控訴人は,控訴人に対し,30万円及びこれに対する平成18年
3月31日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(2) 控訴人のその余の請求を棄却する。
2 前項に関する訴訟の総費用は,これを10分し,その9を控訴人の負
担とし,その余は被控訴人の負担とする。
3 この判決は,第1項(1)に限り,仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。