事件の基本情報
| 裁判所 | 東京高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成25(行コ)31 |
| 判決日 | 2013-05-30 |
| 分類 | 高裁 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 労働基準法32条、所得税法28条1項 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点は,本件納税告知等が違法かどうか,具体的には,本件各従業員 -1- に対する本件旅行に係る経済的利益の供与は所得税法28条1項の「給与等」 の支払に該当するか否かである。 3 被控訴人は,本件各従業員に対する本件旅行に係る経済的利益の供与は所得 税法28条1項の「給与等」の支払に該当し,控訴人は,同法183条1項の 規定により,上記経済的利益について源泉徴収義務を負ったものであるところ, この経済的利益は同法186条1項の「賞与」に該当するから,控訴人がこれ について本件各従業員から徴収し納付すべき源泉所得税額は合計34万74 72円であると主張した。 これに対し,控訴人は,本件各従業員は,本件旅行について,参加するか否 かの選択,旅程の選択,自由行動の幅といういずれの観点からも自由を与えら れていなかったのであって,反射的に利益を受けることはあっても,この利益 を自由に処分することはできなかったことなどによると,流入性,価値の保有 性及び金銭的評価の可能性の要件を満たしておらず,本件各従業員分旅行費用 相当の本件旅行に係る経済的利益は所得税の課税対象とされる経済的利益に は当たらず,本件各従業員分旅行費用の負担は所得税法28条1項の「給与等」 の支払に該当するものではないと主張した。 4 原審は,以下のとおり判断して,本件各従業員分旅行費用の負担は所得税法 28条1項の「給与等」の支払に該当するとし,控訴人の請求を棄却した。 (1) 上記の「給与等」とは,俸給,給料,賃金,歳費及び賞与並びにこれらの 性質を有する給与(同法28条1項),すなわち,雇用契約又はこれに類す る原因に基づき使用者等の指揮命令に服して提供した非独立的な労務の対 価として受ける給付をいうものであると解されるところ,上記「給与等」の 給付の形式は金銭の支払には限られず,金銭以外の物又は権利その他経済的 な利益の移転又は供与であっても,それが上記のような労務の対価としてさ れたものであれば,上記「給与等」の支払に当たるものというべきである。 (2) 本件各従業員は,本件旅行に参加することにより,その使用者である控訴 -2- 人から,本件旅行に係る経済的な利益の供与を受けた(本来有償でなければ 受けることができない航空機,A等の交通機関,飲食店,宿泊施設等におけ る役務の提供を,使用者である控訴人の費用負担の下に無償で受けた)もの であり,本件旅行は,専ら本件各従業員ほかのレクリエーションのための観 光を目的とする慰安旅行であったものであると認めるのが相当である。 (3) そうすると,本件各従業員は,その使用者である控訴人から,雇用契約に 基づき控訴人の指揮命令に服して提供した非独立的な労務の対価として,本 件旅行に係る経済的な利益の供与を受けたものであり,控訴人は,本件各従 業
主文(判決文より)
1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は,控訴人の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。