政務調査費返還命令処分取消請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成20年(行ウ)第114号,差戻し前の控訴審・東京高等裁判所平成21年(行コ)第2号,上告審・最高裁判所平成22年(行ヒ)第42号)

事件の基本情報

裁判所東京高等裁判所
事件番号平成25(行コ)57
判決日2013-06-20
分類高裁
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点
本件処分のうち,本件支出1及び本件支出2に係る部分は,上告が棄却され
たことによって原審の判断が確定している。また,本件支出3に係る部分につ
いては,実体上の違法事由がないことについて上告審の判断が示されているた
め,本件の争点は,本件支出3に係る部分について,本件処分の手続上の違法
(理由提示の不備)があるか否かである。
4 争点に対する当事者の主張
-4-
(1) 被控訴人の主張
目黒区行政手続条例14条は,行政庁は,不利益処分をする場合には,そ
の名宛人に対し,同時に,当該不利益処分の理由を示さなければならないと
定めている。しかるに,本件処分書(甲3)には,処分の理由として,「平
成17年度に交付した政務調査費について,平成19年4月27日付けで目
黒区監査委員から返還を請求することの勧告を受けたので,下記により平成
17年度分の政務調査費の返還を命じます。」として,返還理由として「平
成19年4月27日付けで目黒区監査委員から違法・不当な支出であるとさ
れたため。」との記載があるだけで,不利益処分の理由を示したものとはい
えず,根拠法令の記載もないから,目黒区行政手続条例14条に違反するも
のであり,違法である。
(2) 控訴人の主張
本件処分について根拠となる法令及び条文を明示すべき義務を定めた明文
はないから,根拠条文を示していないことが直ちに本件処分の違法をもたら
すものではない。理由提示を求める趣旨・目的は,①処分庁の判断の慎重と
合理性を担保してその恣意を抑制すること,②不服申立てに便宜を与えるこ
とにあるとするのが判例である。本件処分の理由提示は,上記①,②の趣旨
に照らし相当であり,違法たりえない。

主文(判決文より)

1 目黒区長が被控訴人に対し平成19年5月1日付けでした平成17年
度分政務調査費の一部の返還を命ずる処分を取り消した原判決のうち,
10万7375円を超える金員の返還を命ずる部分を取り消した部分を
取り消す。
2 前項により取り消した部分に係る被控訴人の請求を棄却する。
3 訴訟の総費用は,これを5分し,その4を控訴人の負担とし,その余
を被控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。