事件の基本情報
| 裁判所 | 東京高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成24(行コ)137 |
| 判決日 | 2013-06-27 |
| 分類 | 高裁 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点」及び「争点に対する当事者の主張」は,次項におい て,「当審における控訴人の補充主張」を付加するほかは,原判決の「事実及 び理由」中の第2の2「前提事実」(原判決2頁7行目以下)ないし4「争点 に対する当事者の主張」(原判決17頁16行目以下)に摘示するとおりであ るから,これを引用するところ,本件における主たる争点は,「本件疾病の発 症が業務上の事由に起因するか否か(業務起因性の有無)」であり,特に,「平 成19年肺がん認定基準所定の認定要件の合理性」が争われた(なお,この争 点に関する原審における被控訴人の主張は,原判決17頁17行目以下のとお りであり,また,控訴人の主張は,原判決24頁8行目以下のとおりである。 ただし,原判決13頁18行目及び14頁20行目の各「胸膜肥厚班」を「胸 膜肥厚斑」に,23頁12行目の「発症52歳」を「発症した52歳」にそれ ぞれ改める。)。 3 当審における控訴人の補充主張 (1) 肺がん認定基準の認定要件の合理性について ア 肺がん発症の相対危険度が2倍以上になるような石綿ばく露が認められ - 4 - る場合に業務起因性を肯定するという観点からすると,肺がんの発症と業 務上の石綿ばく露との間の業務起因性が肯定されるためには,平成19年 肺がん認定基準のように,10年要件に加えて,乾燥肺重量1g当たり5 000本以上の石綿小体数の存在が認められることを要求することがヘル シンキ基準(原判決5頁末行,30頁9行目以下参照)に照らしても合理 的であり,10年要件のほかには,単に肺組織内に職業上の石綿ばく露の 可能性が高いとされる程度の石綿小体又は石綿繊維の存在が認められると いう医学的所見があれば,肺がんを業務上の疾病と認めるとする原判決が 設定した基準は相当なものとはいえない。 イ ヘルシンキ基準は,高濃度のばく露を伴う石綿の取扱作業(石綿製品製 造,石綿散布,石綿製品による断熱工事,古い建築物の解体工事)につい ては1年間,中等度のばく露を伴う石綿の取扱作業(建築や造船)につい ては5ないし10年間の従事があったときに肺がん発症の危険度が2倍以 上になるとし,また,極めて高濃度の石綿ばく露の環境においては1年未 満であっても肺がん発症の危険度が2倍以上になるとしており,さらに, 諸外国の補償の対象となる肺がんの認定基準においても石綿のばく露濃度 を考慮しているのであり,業務起因性の判断についてはばく露濃度を重視 するのが一般的な取扱いであるから,これと無関係におよそどのような内 容の作業であっても10年間以上従事していれば業務起因性を肯定すると いう考え方は採用されていない。 そして,10年要件を充たす場合には,職業上のばく露の可能性が高い とされる程度の石綿小体又は石綿繊維の存在が認められることは当然のこ とである
主文(判決文より)
1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。