源泉所得納税告知処分取消等請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成22年(行ウ)第308号)

事件の基本情報

裁判所東京高等裁判所
事件番号平成25(行コ)224
判決日2013-10-23
分類高裁
判決種別判決
判決文が挙げた条文所得税法28条1項、民法623条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及びこれに関する当事者の主張の要点は,後記3のとおり当審に
おける控訴人の主張を付加するほかは,原判決の「事実及び理由」中「第2 事
案の概要等」の2ないし6に記載のとおりであるから,これを引用する。
3 当審における控訴人の主張
(1) 本件各金員に係る所得が給与所得に該当しないこと
ア 給与所得該当性の判断枠組み
以下のとおり,従属性は,給与所得に該当することの必要要件である。
(ア) 判例及び通説
従属性は,最高裁昭和56年判決,最高裁平成13年判決,最高裁平
成17年判決及び下級審の裁判例)並びに通説(甲37,39〔東京地
裁昭和43年4月25日判決・行集19巻4号763頁〕,56〔京都
地裁平成11年(行ウ)第27号・平成14年9月20日判決〕,57,
60~62,65,乙21)において,給与所得の必要要件であるとさ
れている。
原判決は,これを否定する点で誤りであり,かつ,本件講師等が直接
的又は少なくとも間接的に控訴人の監督下に置かれ,控訴人から空間的,
時間的な拘束を受けているとして,不要とした従属性を検討し,しかも
間接的な監督という曖昧な評価をする点で,判断枠組みが極めて不明瞭
かつ不適切である。
(イ) 当事者の認識(意思)が重視されるべきこと
租税は,私法関係(当事者間で締結された私法契約に基づく法律関係)
を前提とする課税要件事実の認定によって発生するから,給与所得の判
定においても当事者の認識(意思)が重視されるべきである。
-4-
控訴人と本件講師等が,雇用契約又はこれに類する原因とは異なる「外
注」であるとの認識で業務委託契約を締結し,これに基づいて本件各金
員が支払われていたにもかかわらず,原判決が,雇用契約に類する原因
があるとするのは,私法契約を著しく軽視する誤りがある。裁判例は,
契約当事者の認識を重視しており(甲26〔福岡地裁昭和62年7月2
1日判決・訟務月報34巻1号187頁〕,48〔福岡高裁昭和63年
11月22日判決・税務訴訟資料166号505頁〕),複数の本件講
師等は,税務職員の指導等により,本件各金員に係る所得を事業所得又
は雑所得として申告している(甲63の1・2の1~4,80,81)
のであって,本件各金員が労務の対価でないことは明らかである。
(ウ) 労働契約と従属性
従属性,すなわち,使用者からの指揮及び命令を受けるという指揮命
令関係は,給与所得における本質的な要素であり,契約書の形式(文言)
が,請負や委任・準委任であっても,契約関係の実態が使用されて労働
し,賃金が支払われる関係であれば,労働契約(雇用契約)に該当し得
る(民法623条。甲64)。
判例及び通説が,使用者の指揮命令関係(労務提供の従属性)を給与
所得に該当するための必要要件とするのは,給与所得の本質である雇用
に類する

主文(判決文より)

本件控訴をいずれも棄却する。
控訴費用は控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。