事件の基本情報
| 裁判所 | 東京高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成25(う)857 |
| 判決日 | 2013-11-27 |
| 分類 | 高裁 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 法人税法22条3項1号、法人税法33条2項 |
この事件の代理人
- 鈴木善和(被告代理人)/東京弁護士会
争点(判決文より)
争点に対する判断の項において説示するところも概ね正当として是 認することができる。以下,所論に鑑み,補足して説明する。 原判決は,まず関係証拠から,被告人が,従業員を通じて乙の売上の一 部をA商店名義の売上として仮装し除外するように指示していたこと,ダ イオキシンに汚染されたチリ産豚肉の返品による損失を乙が同豚肉を仕入 - 1 - れたことにして損金処理するよう,同社の顧問税理士であったB税理士に 依頼したことを認定した上で,被告人がこのように乙の所得秘匿行為に関 与していることに加え,同社の設立及び法人税ほ脱そのものが,被告会社 の売上除外,ひいてはその法人税ほ脱につながるものであって,被告人が 乙から報酬その他の直接的な利益を得ていないことが直ちに共謀の存在を 否定することにはならないことなどからすれば,被告人は甲との間で乙の 法人税ほ脱を共謀していたと認められるとした。原判決の各証拠評価は相 当であり,その総合判断も論理則,経験則に沿う合理的なものといえる。 所論は,(1)被告人は,乙から何ら報酬を得ていない上,同社はあくま でも甲の会社であり,これに税務調査に繋がりかねない不正申告を疑われ るような行為をさせても被告人の利益とはならないから,乙の脱税につい て動機が全くないばかりか,(2)ア 被告人はA商店が独立した課税主体 とはなっていない実態を知らず,乙としての売上除外に当たるという事実 を知らなかったのであり,また,イ 被告人は甲とともに,B税理士に対 して,ダイオキシンに汚染されたチリ産豚肉を乙において損金として処理 して欲しいと依頼したに過ぎず,棚卸資産の評価損の計上(法人税法33 条2項,同施行令68条1号)という本来なすべき処理がなされず,架空 の仕入れ高の期末計上が行われたのはB税理士の独断によるものだったの であり,被告人はこうした事前の所得秘匿行為に関して共謀と評価される ような関与をしていないから,乙の法人税法違反の罪について共謀共同正 犯は成立しない旨主張する。 しかしながら,(1)の点については,被告人は,捜査段階において自認 - 2 - するとおり,年間総売上高が100億円を超過すると国税局により毎年税 務調査が行われると認識していたところ,平成19年末から同20年初め にかけて乙の売上が相当伸長してきていたことから,同社が国税局による 税務調査を受け,それにより被告会社が行っていた差額関税等のほ脱が発 覚するのを避けるために,乙の売上をダミーに付け替えて減少させること を画策し,甲にダミーの設立を依頼したものであって,当然乙の法人税額 が減少することも認識していたものと認められる。被告人の第一次的な目 的が,乙の法人税をほ脱することではなかったにせよ,それに繋がる同社 における売上除外について,上記のとおり,被告人には十
主文(判決文より)
本件各控訴を棄却する。
出典
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