各贈与税決定処分取消等請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成23年(行ウ)第46号,同第64号)

事件の基本情報

裁判所東京高等裁判所
事件番号平成26(行コ)457
判決日2015-04-22
分類高裁
判決種別判決
判決文が挙げた条文相続税法9条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及び争点に関する当事者の主張の要点は,次項4のとおり当審に
おける控訴人らの主張の要点を加えるほかは,原判決「事実及び理由」欄の
「第2 事案の概要」の1項ないし5項に記載のとおりであるから,これを引
用する。
4 当審における控訴人らの主張の要点
相続税法9条の適用要件について
相続税法基本通達9-2は,同族会社の株主等が贈与によって取得したも
のとみなす場合の例示として,① 低額での
低額での財産
,
み益の移動が生じ,これによって株主の所有株式の価額が直接影響を受けて
増加する。このような株主間の経済的利益の移動は,会社の株価の増加と直
接には関係がない。このような場合,株主間に経済的利益の移転があること
は判例においても認められている。これに対し,相続税法では,個人が所有
する資産に評価益が生じても,それだけの理由で贈与税を課税されることは
ないところ,このような個人資産の評価益が損益取引に基因して発生した場
合も同様に課税をされるべきではない。例えば個人甲が同族会社に財産を低
額譲渡した場合に,同族会社の株主乙の所有する株式の評価益は会社の資産
等の増加に伴って株価が上昇したことによる反射的効果であって,経済的利
益が甲から乙へと移動したとはいえない。このように,損益取引に起因する
評価益は,当該譲渡者等から同族会社の株主等に移動したものではなく,経
済的利益の移転がないのである。このような場合には,相続税法9条が予定
する「当該利益を受けさせた者」と「当該利益を受けた者」との間の利益の
授受(対立承継関係)が見られないのであるから,これに課税をすることは,
同条の文言及び趣旨から乖離し許されない。
以上の検討の結果によれば,相続税法9条の「利益」は資本等取引に起因
が規定するような損
益取引に起因する利益は,相続税法9条の規定する「利益」に該当しないと
解するのが相続税法の解釈や判例からも妥当である。
本件e出資の本件各譲渡時の時価について
原判決が掲げる「本件e出資の購入及び売却の経緯等」は,本件に特有の
事情ではなく,非上場有価証券の取引に関して一般的に妥当する事柄に過ぎ
ない。本件13社は,いずれも日本を代表する大企業であり,株主に対する
経営責任を果たすという観点から考えても,本件各譲渡に当たってcとの取
引関係の強化又は維持に繋がり得るか否かを検討するのは当然のことである。
したがって,これをdと本件13社との間の本件e出資の売買に売買実例と
して適正性がないとする理由とすることはできない。他方,原判決は,本件
13社において本件e出資の譲渡に当たって譲渡価額の妥当性について十分
に検討していたこと,本件13社は,本件各譲渡によって売買差益を得てい
ること,本件13社とdとの間に,資本関係は全くなく,同族関係にもなく,
役員の兼任と

主文(判決文より)

1 本件控訴をいずれも棄却する。
2 控訴費用は控訴人らの負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。