各帰化許可処分の義務付け等請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成26年(行ウ)第74号,同第76号)

事件の基本情報

裁判所東京高等裁判所
事件番号平成27(行コ)93
判決日2015-07-16
分類高裁
判決種別判決
判決文が挙げた条文憲法14条1項

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及び争点についての当事者の主張は,4に当審における控訴
人らの主張を付加するほかは,原判決の「事実及び理由」欄の「第2 事案の
概要」の3及び4に記載のとおりであるから,これを引用する。
4 当審における控訴人らの主張
日本の法律上で朝鮮人として法的地位を持っていた人は,いわゆるサンフ
ランシスコ条約の発効により日本国籍を喪失した。その中には,出生時から
日本と強い結びつきを有しており,他国に寄るあてがないような者も多数含
まれており,一律に日本国籍を剥奪するのは,国籍を喪失する者に看過し難
い著しい不利益を課すものであったから,上記条約により国籍を喪失する者
には,外国籍のまま生きるか,それとも簡単な帰化手続を経て国籍を回復す
るかの選択を行うことができる実質的な国籍選択性が保障されていた。
特別永住者制度は,上記の国籍剥奪の経緯を踏まえて設けられた制度であ
り,特別永住者は,上記条約により国籍を剥奪された人又は同人の子孫に限
られている。同制度の歴史的経緯からすれば,法務大臣は,国籍法所定の条
件を具備する特別永住者には原則として帰化を認める許可処分をすべきであ
って,例外的に帰化を認めるべきでない特別の事情がある場合にのみ,不許
- 2 -
可処分をする裁量を有すると解すべきである。
被控訴人が,本件各不許可処分の判断過程において,控訴人P2が朝鮮学
校に通学している事情を,上記の例外的事情として考慮したことは明らかで
ある。しかし,朝鮮学校において反日教育が行われていると断定する事実は
なく,また,同校における教育内容が生徒と日本のつながりを破壊すること
に直ちに結び付かないことは明らかであるから,朝鮮学校に通学していると
いう事情は,例外的に帰化を認めるべきでない特別の事情には当たらない。
したがって,原則どおり,帰化条件を充足している控訴人P1について帰化
申請を許可すべきであり,同様に控訴人P2についても帰化申請を許可すべ
きであった。
本件において,仮に原判決が適法であるとすれば,結論的に裁判所が,朝
鮮学校に通学していることのみを理由として帰化処分において不利益に取り
扱っても問題ない旨,少数者に対する差別のお墨付きを行政機関に与えるも
のであって,結論の妥当性がない。
本件各不許可処分は,朝鮮学校に通学していない外国人と通学をしている
外国人とを区別したものと認められるが,在日朝鮮人に対する差別を是認す
ることになり得るものであり,その区別に合理性はない。また,仮に区別す
る目的に合理性が認められたとしても,帰化において取扱いを区別すること
と当該目的との間に合理的関連性は認められないから,本件各不許可処分
は,合理的な理由のない差別である。したがって,本件各不許可処分は憲法
14条1項に違反するとともに,国籍法4条2項も本件に適用さ

主文(判決文より)

1 本件控訴をいずれも棄却する。
2 控訴費用は控訴人らの負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。