事件の基本情報
| 裁判所 | 東京高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成27(行コ)230 |
| 判決日 | 2015-12-02 |
| 分類 | 高裁 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 労働契約法2条2項、労働契約法8条、所得税法28条1項、所得税法183条1項、民法623条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点及び争点に関する当事者の主張は,次項の とおり当審における控訴人の主張を加えるほか,原判決「事実及び理由」欄の 「第2 事案の概要」の1ないし5に記載のとおりであるから,これを引用す る。なお,略語については原判決の例による。 3 当審における控訴人の主張 (1) 本件P2株式の支払については,P1が所得税法183条 1 項に基づく 源泉徴収義務を負担していたものであり,これを否定した原判決の認定判断 は誤りである。その理由は以下のとおりである。 ア 原判決は,P3グループにおける各従業員に対する業績賞与の支給額は, トップダウン方式によってP2によって決定されていることを理由に,本 件アワードの付与の主体がP2であるとしている。 しかしながら,大企業のグループにおいては,子会社の取締役会が親会 社から委任された経営裁量の範囲内で賞与額等を決定しているのが通常の 実務であり,親会社が全世界数万人に及ぶ子会社の従業員を個別に勤務評 定して賞与金額を決定することなどは不可能である。本件においても,P 1の個々の従業員の業績評価を行い,業績賞与の金額を決定するのはP1 の所属部門のマネジャーであり,親会社であるP2ではない(乙17,2 (5))。 イ 所得税法183条1項の「支払をする者」とは,①支払債務を負担し, ②支払に係る経済的出捐を負担し,③支払によって債務消滅の効果が帰属 する者をいうのであって,その該当性判断に当たって「支払をする者」が 報酬の付与決定権者であることまでは必要とされていない。このことは, 最高裁判所平成21年(受)第747号同23年3月22日第三小法廷判決 (民集65巻2号735頁)が支払をする者が支払決定権者である必要はな い旨を判断していることからも裏付けられる。したがって,原判決が上記 ①ないし③の要件について検討をせずに,本件プラン・ルールを根拠にP 2には本件株式報酬付与の決定権限があるとして,P2が「支払をする者」 であると判断していることは誤りである。 ウ 給与所得とは「俸給,給料,賃金,歳費及び賞与並びにこれらの性質を 有する給与」(所得税法28条 1 項)と定義され,雇用契約に関する民法6 23条や労働契約に関する労働契約法2条2項などの規定を前提にすると, 給与等の支払をする者とは役務の提供を受けた雇用者であり,給与等を受 領する者とは役務を提供した被雇用者である。したがって,給与等の「支 払をする者」が誰であるかを検討する場合には,まず雇用契約に基づく認 定がされるべきである。そして,雇用契約においては原則として雇用者と 給与支払者とが異なることはないというべきである。 以上の前提の下に本件プランについて見るに,本件P2株式は,雇用契 約に基づき,控訴人から役務の提供を受けたP1が,控訴人に対して平成 14年の
主文(判決文より)
1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。