強盗殺人(認定 窃盗),傷害,窃盗,覚せい剤取締法違反被告事件

事件の基本情報

裁判所東京高等裁判所
事件番号平成27(う)1521
判決日2016-08-10
分類高裁
判決種別判決

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点
(1) 本件強盗殺人の事案の概要
被告人及びAは,Bから本件車両の情報を得て,これを盗むことを企て,同人
と共謀の上,自動車(帯同車両)を運転して現場に赴き,付近でBと合流し,3
名のうち2名が帯同車両の運転席と助手席で待機し,1名が駐車中の本件車両に
乗り込み,そのエンジンを始動させ,運転して現場を離れようとした際,これを
発見し,阻止しようとした本件車両の所有者であるCを死亡させるという事件が
発生した。
被告人は,本件強盗殺人の被疑事実による勾留中は黙秘を続けたが,起訴から
2か月余りが経過した平成26年3月18日,自ら申し出て検察官の任意の取調
べを受け,殺意を否認しつつ,被告人が本件車両を運転していたことを認める供
述(以下「本件自白」という。)を行ったものの,原審公判期日では否認に転
じ,本件自白は虚偽であったとの供述をした。
(2) 原審における争点
本件車両の運転者は被告人であったとする前記公訴事実に対し,原審弁護人
は,被告人の原審公判供述に基づき,その運転者はAであり,被告人は帯同車両
の助手席に乗車していたにすぎないから,強盗殺人の刑責を負わない旨の主張を
した。
3 原判決の概要
原判決は,被告人が本件車両を運転していたということが常識的にみて間違い
ないと認められるほどの証明はされていない,として被告人には窃盗罪の共同正
犯(原判示第3)が成立するにとどまる旨の判断をし,その他の窃盗2件(同第
1,2),覚せい剤取締法違反1件(同第4)及び傷害1件(同第5)との併合
罪として,被告人を懲役6年に処した(検察官の求刑は無期懲役)。
すなわち,原判決は,被告人が本件車両を運転していたことを裏付ける客観的
証拠はなく,現場にいたA及びB並びに後に同人らから本件の話を聞いたDの各
- 2 -
供述は,いずれも本件車両を運転していたのが被告人であるという点で合致して
いるものの,B及びDについては,Aからの働き掛けを受けて虚偽供述をしてい
る可能性を否定しきれず,Aについては,本件車両を運転していたのが同人であ
る場合,自己の犯罪を被告人に押し付けるために虚偽の供述をする十分な動機が
ある上,自己の刑責が重くならないよう被告人に働き掛けをしており,その供述
態度は真摯なものとは認めがたく,供述内容に不自然な点が認められ,被告人が
本件車両を運転していたのでなければ説明できないような内容は含まれておら
ず,A自身が本件車両の運転席から見た光景をあたかも帯同車両の助手席から見
ていたように供述したとしても不自然とはいえない,などとして,いずれもその
内容どおり信用することはできないとした。
また,本件車両を運転していたのはAである旨の被告人の原審公判供述は,格
別不自然なものではなく,弁護士を通じて差し入れられた2通の手紙(原審弁
5,6号

主文(判決文より)

原判決を破棄する。
本件を千葉地方裁判所に差し戻す。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。