事件の基本情報
| 裁判所 | 東京高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成28(ネ)1730 |
| 判決日 | 2017-03-09 |
| 分類 | 高裁 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 民法709条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点(3)」を「⑵ 争点⑵」と改める。 3 当審における当事者の主張 (控訴人の主張) (1) 第1懲戒事由について ア 第1懲戒事由に当たる被控訴人の行為について 第1懲戒事由は,被控訴人による未公表の法人関係情報の外部への伝達 行為が,金融商品取引法38条8号の委任を受けて定められた金融商品取 引業等に関する内閣府令(以下「金商業等府令」という。)117条1項 14号に実質的に違反し,かつ,同号の趣旨を具体化した控訴人の社内規 定に違反するものであり,そのため,控訴人の名誉又は威信が害されたこ とを根拠とするものである。すなわち,控訴人は,内部者取引管理に関す る規程2条3号において,「上場会社等の運営,業務又は財産に関する公 表されていない重要な情報であって,顧客の投資判断に影響を及ぼすと認 めるもの等」を「法人関係情報」と定義した上で,営業社員規程第32条 13号において,「顧客との取引につき,顧客に対して法人関係情報を提 供して勧誘する行為」を禁じている。したがって,社外の者に対し未公表 の法人関係情報を伝達することは,営業社員規程32条13号に違反し, 就業規則42条20号に該当するだけではなく,金融商品取引法38条8 号,金商業等府令117条1項14号にも違反し,この点でも就業規則4 - 3 - 2条20号に該当する。 以上のとおりであるから,第1懲戒事由の存否については,被控訴人が 社外の者に対し未公表の法人関係情報を伝えたか否か,その結果として控 訴人に与えた影響の程度が控訴人の名誉又は威信を傷つけたといえるか否 かによって判断すべきである。 イ 被控訴人による法人関係情報の取得について (ア) 一旦,金融商品取引業者等に帰属し,法人レベルで取得し,管理 されるに至った法人関係情報について,当該金融商品取引業者等の他の 役員・使用人が当該法人関係情報を取得したといえるためには,控訴人 のように,情報遮断等の方法等により業務上不必要な部署に当該法人関 係情報が伝わらないように情報隔壁が設けられるなど,組織上の手当て がされていた場合には,法人関係情報を最初に取得した者から積極的に 伝達されるときに限らず,当該管理態勢の脆弱性を知って法人関係情報 にアクセスしたり,法人関係情報の管理や取扱いの実態について情報を 有している他の役員・使用人が法人関係情報を管理し又はそれに関連す る使用人や部署に接触して収集した断片的な情報を取得した上でそれら を組み合わせたりすることによって,法人関係情報を認識することとな ったときは,その者は,当該金融商品取引業者等に帰属する法人関係情 報を取得したと解するのが合理的である。 そして,これを具体的な事実関係に適用するに当たっては,役員・使 用人が,当該金融商品取引業者等の組織の内部において,特に法人関係 情報と
主文(判決文より)
1 本件控訴及び附帯控訴をいずれも棄却する。 2 控訴費用は控訴人の,附帯控訴費用は被控訴人の各負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。