事件の基本情報
| 裁判所 | 東京高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成29(行コ)46 |
| 判決日 | 2017-07-26 |
| 分類 | 高裁 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 法人税法37条1項 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点(1)(本件債権放棄額が貸倒損失の額に該当するか否か)について (ア) 基本通達9-6-1(4)(回収不能の債権の免除に係る貸倒損失) について a 本件子会社2社の資産状況や支払能力等について - 3 - 原判決は,Bの売上高が増加し,売上総利益も堅調に推移している こと等の事実を挙げて,このような債務者側である本件子会社2社の 資産状況や支払能力等の事情に照らし,直ちに本件債権放棄に係る全 額が回収不能であったとはいい難いと判断している。 しかし,原判決は,回収可能性ないし借入金の支払余力において着 目すべき会計費目を取り違えている。 すなわち,原判決は,売上高及び売上総利益並びに預金額を捉えて, 本件子会社2社の資産状況や支払能力等を判定するが,売上総利益全 額を金融機関等の債権者の支払に充てることはできないのであり,少 なくとも人件費等販売費及び一般管理費を控除すべきである。また, Bについては,平成18年度以降売上高総利益率が改善する一方で, 製造原価から販売費及び一般管理費に一部の費用が移行したため,売 上高販売管理費率が上昇しているのであり(甲43の138頁),B について,売上総利益に基づき返済能力を判定することが合理的でな いことは一層明らかである。Aについても,最終損益がマイナスにな っており,販売管理費や特別損失を考慮しない売上総利益によって返 済能力を捉えることは不合理である。 さらに,原判決は,定期預金その他の預金の額にも着目するが,預 金は,日常の資金繰りのために確保する必要があり,通常業務を継続 する上で必要不可欠なものであるし,預金は事実上金融機関の担保と して差し入れられていたから,これを直ちに返済に充てることはでき ないものであり,預金を考慮することも誤りである。 b 本件子会社2社の財務改善について 原判決は,本件計画中の製造会社3社の数値目標である改善額が, 飽くまで数値目標であるにすぎないにもかかわらず,これをあたかも 実績値のように実現確実なものとして採用している点で誤っている。 - 4 - すなわち,原判決は,一方において,金銭債権の貸倒損失を法人税 法上の損金に算入するには,当該金銭債権の全額が回収不能であるこ とが客観的に明らかでなければならないと判示しながら,他方におい て,単なる計画ないし見通しにすぎない製造会社3社の集約計画の数 値目標を財務改善計画の立案時までの財務の実績等の客観的事情と区 別せずに判断の基礎に取り込んでおり,判断の枠組みと事実認定に食 い違いがある。Dにおいて償却前経常損失を計上した原因は,本件財 務改善計画に記載された諸施策の実施の懈怠などではなく,計画内容 自体の合理性又は実現可能性の欠如にあった。 c C銀行の債権放棄要請の有無について 原判決は,C銀行は債権放棄を要請して
主文(判決文より)
1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。