事件の基本情報
| 裁判所 | 東京高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成28(ネ)4616 |
| 判決日 | 2017-09-29 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 民法709条、民法723条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点 ⑴ 控訴人らに対する権利侵害の有無 ア 国民的人格権・名誉権の侵害の有無 本件各記事を掲載した点について 本件各記事を訂正しなかった点について イ 知る権利の侵害の有無 ⑵ 故意・過失の有無 ⑶ 損害及び因果関係 ⑷ 除斥期間の適用の有無 4 争点に関する当事者の主張 ⑴ 控訴人らに対する権利侵害の有無 ア 国民的人格権・名誉権の侵害の有無 本件各記事を掲載した点について 【控訴人らの主張】 本件記事1ないし12は,旧日本軍が朝鮮半島等において多くの女性 を慰安婦として強制連行したというX証言を,何ら裏付け取材すること なく報道してきたものであり,また,「女子挺身隊」とは,国家総動員体 制のもとで軍需工場などに動員された女学生達のことで慰安婦とは全 くの別物であるのに,本件記事13は,「女子挺身隊」と「慰安婦」を混 同したものである。これらの虚報は多くの海外メディアにより転電され, これにより,第二次世界大戦時の日本軍は,アジア各国において多くの 女性を強制連行し,性奴隷として扱った等と世界各国に誤解されること となり,旧日本軍将兵らはもとより,控訴人らを含む日本国民は,筆舌 に尽くし難い屈辱を現在でも受けている。これにより,日本国民である 控訴人らの国民的人格権・名誉権は著しく毀損された。 本件各記事は,本件各記事によって従軍慰安婦問題が周知されたこ と,その内容が従軍慰安婦に関するエピソードを詳細かつ具体的に記 述し読み手に従軍慰安婦問題が存在したことを信用させる内容である ことからして,事実の摘示をする記事であることは明らかである。 集団的名誉毀損については,原則として構成員は不法行為の対象と ならないとされているが,その集団を構成する個々人の人格的尊厳と 密接に結び付き,その中核を形成しているアイデンティティに関わる 事実が虚偽の報道によって不当に貶められたり,誤った風評となって 個々の生活に具体的な損害を生じさせたような場合には,不法行為責 任を免責する理由はない。被控訴人は,本件各記事の掲載とこれを訂正 することなく放置することによって,慰安婦問題に関する誤解と偏見 に基づく国際世論を形成,定着させ,日本人は,20万人以上の朝鮮人 女性を組織的に強制連行して性奴隷として酷使する20世紀最大級の 残虐な人権侵害を行い,しかもこれを認めず,度重なる国際世論からの 勧告にも従わず,被害者に対する補償も,関係者の処罰も,歴史教育も 行わない無責任な民族ないし人種であるという不名誉極まりない烙印 を押されるに至った。この烙印が日本人としてのアイデンティティを 自らの人格的生存の中核においてきた控訴人らの尊厳を傷つけ,国際 社会における客観的評価を低下せしめてきたのであるから,被控訴人 は,控訴人ら個々人の社会から受ける客観的評価を低下させ国民的人 格
主文(判決文より)
1 本件控訴をいずれも棄却する。 2 控訴費用は控訴人らの負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。