生活保護費の徴収及び返還取消し請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所東京高等裁判所
事件番号平成29(行コ)186
判決日2017-10-18
分類高裁
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及び争点に関する当事者の主張は,下記3のと
おり原判決を補正し,後記4のとおり,当審における当事者の主張を付加する
ほかは,原判決の「事実及び理由」の「第2 事案の概要」の1ないし4(た
だし,本件第2決定及び本件第3決定に関する部分を除く。)に記載のとおり
であるから,これを引用する。
3 原判決の補正
(1) 原判決3頁4行目の「支給された」の後に「(乙4)」を挿入して加え
る。
⑵ 原判決3頁10行目の「毎月月末頃」の前に「若干の遅れもあるものの」
を挿入して加える。
⑶ 原判決3頁25行目の「以下」の前に「甲1。」を挿入して加える。
4 当審における当事者の主張
(1) 控訴人の主張
ア 平成27年11月12日にA区福祉事務所が,「生活保護のしおり」を
示して説明をした際,初めて控訴人は,生活保護を受給する上で必要とな
る様々な申告義務等を認識したのであり,それまで,控訴人にはB会社か
らの本件収入を申告しなければならないという認識自体がなかった。
したがって,処分行政庁に対する控訴人の「収入・無収入申告書」(乙
1の1ないし4。以下「申告書」という。)に本件収入を得ていたことが
記載されていなかったとしても,控訴人が本件改正前後の法78条の「不
実の申請その他不正な手段」により保護を受けたものとはいえない。また,
控訴人が乙1の1の申告書に署名したことは間違いがないが,同申告書は,
控訴人が脳出血による入院治療を受けて間もない時期に作成されたもので
あり,署名欄以外の記載は控訴人がしたものではない。
イ 控訴人は,B会社から送金されていた三井住友銀行C支店の預金口座
(以下「本件預金口座」という。)を有することをA区福祉事務所に届け
出ていたのであるから,同事務所が控訴人に通帳の提出を求めれば,上記
送金がされていた事実を容易に確認することができたのであり,この点か
らしても,控訴人が「不実の申請その他不正な手段」により保護を受けた
とはいえない。
ウ 本件改正前の法78条は,収入申告を怠ったことについて,被保護者に
「故意」がある場合に適用されるべきものであるが,控訴人に「故意」が
認められるかについては極めて疑わしい。
⑵ 被控訴人の主張
ア 控訴人は,平成27年11月12日までB会社からの送金を収入と
して申告すべき義務があるとの認識はなかったと主張するが,各申告書を
提出した時点において,控訴人は上記申告義務について記載した書面を受
け取っており,同義務を負っていることを知っていたはずである。
イ A区福祉事務所は,控訴人が本件預金口座を有することを認識していた
が,控訴人から各申告書が提出されており,特段の必要性が認められない
状況下において,同事務所には,控訴人の個人情報の提出を求めたり,職
権で調査する義務はなかった。
なお,法の

主文(判決文より)

1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。