勧告処分等差止請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所東京高等裁判所
事件番号平成29(行コ)380
判決日2018-06-28
分類高裁
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及びこれに関する当事者の主張は,次のと
おり補正し,次項に当審における控訴人の補充主張を付加するほかは,原判決の
「事実及び理由」第2の1ないし4に記載のとおりであるから,これを引用する。
(原判決の補正)
(1) 原判決5頁21行目の「監査事務所」を「監査事務所(公認会計士,外国
公認会計士又は監査法人をいう。以下同じ。)」と改める。
(2) 同6頁22行目の「実施体勢」を「実施態勢」と,同頁25行目の「品質
管理体勢」を「品質管理態勢」とそれぞれ改める。
3 当審における控訴人の補充主張
⑴ 本件勧告の公表により,控訴人は,その会計専門家としての職業上の中核的
利益の部分において名誉・信用の法益を著しく侵害され,業務上の著しい被害
を受けており,その監査法人としての存立の危機に瀕している(甲30)。
被控訴人は,法41条の2に基づく勧告は,被控訴人に属する1つの行政機
関が他の行政機関に対して行う行政機関相互の手続に過ぎず,公権力の行使が
行われているのではないとするが,一般人にとって,「勧告」と「処分」の区
別はない。本件勧告の公表により,控訴人に重大な被害が発生し,控訴人がそ
のような重大な被害の受忍を強いられている以上,公表行為が対象監査法人の
名誉・信用棄損を「直接の」目的としてされたものではないとしても,被害者
はその権利・利益の侵害を受けているのであるから,司法的救済が必要であ
る。
⑵ア 本件勧告の公表は,差止請求の対象となる事実行為(その他公権力の行使
に当たる行為)に該当する。
行政事件訴訟特例法(以下「特例法」という。)の廃止後,行訴法は,取
消訴訟の対象を特例法の「行政庁の処分」の取消訴訟に限定することをや
め,その上で,行訴法の対象を公権力の行使に関する不服の訴訟(3条の抗
告訴訟)及び「当事者訴訟」「民衆訴訟」「機関訴訟」にまで拡大した。こ
のような立法過程の中で,行訴法3条2項の「処分」の定義を「行政庁の処
分その他公権力の行使に当たる行為」と定めている。平成16年法律第84
号による行訴法の改正により新しく制定された差止めの訴え(行訴法3条7
項)は,行政庁がその「処分」をしてはならない旨を命ずることを求める訴
訟と定義されているが,この「処分」は,特例法上の「行政庁の処分」と同
義ではなく,事実行為的処分に当たる公権力の行使(権力的事実行為)が含
まれており,行政庁の一方的意思決定に基づき,特定の行政目的のために国
民の身体,財産等に実力を加えてその受忍を強要し,行政上必要な状態を実
現させようとする権力的行為も差止めの対象となる。平成16年法律第84
号による行訴法の改正は,そのような事実行為的な公権力の行使の場面での
活用をも期待して,差止めの訴えを法定抗告訴訟に引き上げたのである。
本件勧告の公表は,行政庁相互間

主文(判決文より)

1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。