事件の基本情報
| 裁判所 | 東京高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成30(行ケ)8 |
| 判決日 | 2018-07-25 |
| 分類 | 高裁 |
| 判決種別 | 決定 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点は,本件各係争票が原告への有効投票か否かである。 ⑴ 原告の主張 ア 本件との関係で特に先例的意義がある最高裁判例は,複数の候補者の氏 名を混記したいわゆる混記投票の効力が問題となった最高裁昭和 第1024号同32年9月20日第二小法廷判決・民集11巻9号162 1頁(以下「昭和32年最高裁判決」という。)である。昭和32年最高裁 判決は,①原則として,選挙人は1人の候補者に対して投票する意思をも ってその氏名を記載するものと解すべきであること,②投票を2人の候補 者氏名を混記したものとして無効とすべき場合は,いずれの候補者氏名を 記載したか全く判断し難い場合に限るべきであること,③そうでない場合 は,公職選挙法68条5号,7号(現6号,8号)に該当する無効のもので ない限り,いずれか一方の氏名に最も近い記載のものはこれをその候補者 に対する投票と認め,合致しない記載はこれを誤った記憶によるものか, 又は単なる誤記になるものと解するという判断基準を示しており,混記投 票については,字数が一致する程度,混記投票の記載と関係候補者の氏又 は名の不一致部分における外観,音感上の類似性の有無に重点を置きなが ら当該選挙における活動状況等も加味して投票の有効性について判断する という手法が確立している。ところが,本件裁決は,本件各係争票の中に 偶然他の候補者である木村候補又は久保候補の名に合致する誤記があった ことのみに着目して本件各係争票を無効票と判断しており,昭和32年最 高裁判決の判断基準に反している。 イ 本件各係争票を投票した選挙人は,投票所で通称を自書する際に,目の 前に貼ってある葛飾区議会議員選挙候補者氏名等掲示(甲3)を見て,「大 森ゆきこ」,「木村ひでこ」,「くぼ洋子」の各氏名を確認していれば,い ずれかの氏名を正確に自書したはずであり,混同することはあり得ない。 正確に書けていないのは,上記掲示による氏名の確認をせず,記憶に基づ いて自書したからである。また,原告の氏と木村候補又は久保候補の氏は 文字及び語感において全く異なり類似性はないから,原告の氏である「大 森」を投票用紙に明記した本件各係争票の選挙人が,木村候補又は久保候 補に投票する意思をもって原告の氏を誤記したとは考え難い。本件選挙の 59名の候補者中「大森」を氏とする候補者は原告一人であることからし ても,「大森」という文字を正しく記載したことは,特段の事情のない限 り,原告に投票する意思であったと認められる。 ウ 葛飾区議会議員選挙選挙公報(甲1)や葛飾区議会選挙ポスター掲示場 に貼った選挙ポスター(甲2)において,原告が「大森」と「ゆきこ」を同 じ大きさの文字としているのに比べ,木村候補は「木村」の文字を「ひで こ」の文字よりも大きくし,久保候補は「くぼ」の文字を「洋子」
主文(判決文より)
1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。