国家賠償請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所東京高等裁判所
事件番号平成28(ネ)3783
判決日2018-10-24
分類行政
判決種別判決
判決文が挙げた条文憲法17条、民法715条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点1-①関係)
(2) 甲1及び乙1に対する治安維持法違反被告事件が,拷問による虚偽の自白
の上に成り立つ虚構であることを認識し得たのに,検察官による起訴,予審
判事による予審終結決定,判事による有罪判決が行われた行為,裁判所又は
裁判所検事局関係者が,訴訟記録の保存規程に反して,判決原本を含む関係
書類を焼却した行為(争点1-②関係)
(3) 第一次再審請求を担当した裁判官が,訴訟記録が存在しないことを理由に
請求を違法に棄却した行為(争点1-③関係)
(4) 第三次再審請求に係る再審公判を担当した裁判官が,無罪判決ではなく免
訴判決をした行為(争点1-④関係)
3 原判決は,第1審原告らの請求を全部棄却したことから,第1審原告らが控
訴を提起した。なお,控訴の趣旨(第1の2,3)記載のとおり,第1審原告
らは当審において請求額を各3450万円及びその遅延損害金に減縮した。
4 前提事実及び争点に関する当事者の主張は,下記5,6のとおり加えるほか
は,原判決「事実及び理由」中の第2の1,2及び第3記載のとおりであるか
ら,これを引用する。
5 当審における第1審原告らの補充的主張
(1) 国家賠償法施行前の公務員の行為と国家無答責の法理について
ア 原判決は,国家賠償法施行前の公務員の行為(特高警察官が事件をねつ
造して甲1及び乙1を検挙し,拷問等による違法な取調べを行った行為,
甲1及び乙1に対する治安維持法被告事件についての検察官による起訴,
予審判事による予審終結決定,判事による有罪判決が行われた行為,裁判
所又は裁判所検事局関係者が判決原本を含む関係書類を焼却した行為)に
つき,国家無答責の法理を適用して,第 1 審被告の責任を否定した。しか
し,国家無答責の法理とは,第1審被告が主張するように行政裁判法16
条や民法制定過程等の立法によって認められたものではなく,大審院昭和
16年2月27日判決・民集20巻2号118頁によって認められた判例
法理にすぎない。そして,国家賠償法附則6項にいう「従前の例」に判例
が含まれないことはいうまでもない。
また,「従前の例」において適用すべき旧法令が現行憲法に抵触する場
合には,憲法の最高規範性ゆえに適用することができない。国家無答責の
法理は現行の日本国憲法17条に抵触するから当然に変更されなければな
らないのである。
イ 第1審被告が国家無答責の法理を採用した判例として援用する最高裁昭
和25年4月11日第三小法廷判決・裁判集民事3号225頁(以下「最
高裁昭和25年判決」という。)は,先例としての価値を有しない。最高
裁昭和31年4月10日第三小法廷判決・裁判集民事21号665頁をみ
れば,最高裁昭和25年判決を排斥するのが最高裁の態度であるといえ
る。また,国家無答責の法理の適用が問題とされた一連の

主文(判決文より)

1 第1審原告らの控訴をいずれも棄却する。
2 控訴費用は第1審原告らの負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。