事件の基本情報
| 裁判所 | 東京高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成30(行コ)121 |
| 判決日 | 2018-10-25 |
| 分類 | 高裁 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点は,控訴人が難民に該当するか及び義務付けの訴 えの適法性及びその当否であり,争点に関する当事者の主張は,次項において, 「当審における控訴人の補充主張」を付加するほか,原判決の「事実及び理由」 中の第3の2及び3に摘示するとおりであるから,これを引用する(ただし,1 審原告Aのみに係る部分を除く。)。なお,特に断らない限り,略称は原判決の例 による。 3 当審における控訴人の補充主張 (1) シリア及び同国内のクルド地域(以下,単に「クルド地域」という。)の情 勢や控訴人に関する個別事情を通常人の立場から見れば,控訴人には,複数の タンシキーヤに所属して反政府デモを積極的に呼び掛けていたという政治的 意見を理由に,本国において逮捕,拘束,拷問等の迫害を受ける恐怖を抱くよ うな客観的な事情があるものであり,控訴人は難民に該当する。 原判決は,シリア及びクルド地域の情勢に関する検討,控訴人の個別事情の 認定,控訴人の難民該当性の判断において,事実誤認ないし検討の誤りがある。 (2) 原判決には,クルド地域において2012年(平成24年)以降シリア政府 とPYDとの間で連携が行われるようになったことが反政府活動に対する弾 圧の強化をもたらしたという経緯を看過した点で事実誤認がある。出身国情報 に関する原判決の分析は,分析の意義を理解せず,質的基準を充足しないもの となっており,その結論も,デモ参加者に対する政府側の弾圧の実態から目を 背け,一外交官の見解に偏ったものであり,UNHCRの示す保護の必要性に 関する判断をあえて無視している。原判決が主に依拠する元在シリア大使国枝 昌樹の著書(乙全75。以下,単に「乙全75」という。)は,①関連性につい てシリア政府の人権侵害状況を論じたものでなく,②公平な第三者ないし専門 家ではなく,信頼性・バランスに疑義があり,③同人の活動範囲は基本的に安 全な場所に限られ,時期も反政府運動が本格化する前の2010年までに限ら れ,正確性や最新性についても問題があり,④政府側の独自の情報源に依拠す るなど透明性・トレーサビリティにも問題があるものであって,出身国情報の 質的基準を充たさないし,シリア政府が平和的なデモを弾圧することはなかっ た旨を述べているものではなく,そのような弾圧については意図的に記載され ていないものである。 (3) 「C」と称する部族(以下「本件部族」という。)を始めとするクルド民族 の部族は,クルド地域において政治的・社会的に重要な影響力を有していたも のであり,控訴人が本件部族の部族長の家系に属する者でありながら積極的に 反政府活動に参加していたことは,マリキヤ及びその周辺のクルド地域の反政 府運動において,動員力をはじめとして重要な影響力を与えていたものとみる べきである。 治安部隊が2012年(平
主文(判決文より)
1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。