事件の基本情報
| 裁判所 | 東京高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成29(う)771 |
| 判決日 | 2018-11-21 |
| 分類 | 高裁 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
- 遠藤直也作(被告代理人)
争点(判決文より)
争点となり,原判決は,要旨, 次のとおり説示して,被告人Aによる暴行は左足で被害者の頭部を1回蹴 った限度で認定できるが,被告人Bによる暴行は認定することができない とし,また,被告人両名は共に被害者にズボンをはかせる看護目的で抑制 を行っていたことが認められるが,被告人Aの足蹴り行為については,被 害者の足が当たったことに腹を立てて,衝動的にもっぱら報復目的で行っ たもので,両名の間に共謀は認められないとした。そして,被告人Bにつ いては,被告人Bによる暴行は認められず,被告人Aとの共謀も認められ ないから,無罪であるとし,被告人Aについては,被告人Aの足蹴りによ って被害者の頸椎を骨折させた可能性が認められるが,被告人Bによる抑 制行為のなかで被害者の頸椎骨折が生じた可能性も否定できず,その抑制 行為は正当業務行為として違法性が阻却されるから,傷害結果を被告人A に帰責させることはできないとした。 前提となる事実関係 原判決は,まず,前提として,①被害者は,平成23年9月15日よ りC病院に医療保護入院となり,同年12月5日以降,保護室に入室した こと,しかし,衝動的な暴力行為をするおそれがあったことから,看護師 (被告人両名も看護師であった。)が同室に入室する際は複数名で対応し ていたこと,②被害者は頸部ジストニア(筋肉が硬直して動かない状態) で,顎が胸につく程度まで前方下方向に屈折した状態になっており,仰向 けになると後頭部が床から浮く状態であったこと,しかし,同病院の医師 や看護師らは,被害者の頸椎が骨癒合を起こしていることを認識しておら ず,看護師に被害者の頸部に関するケアについて特別な指示がされたこと はなかったこと,③平成24年1月1日午後4時7分,被告人両名は,看 護師であるF及びGと共に保護室に入室し,被害者の食事介助及びおむつ 交換を行い,同日午後4時13分頃,F及びGは保護室を退室したこと, その後,被告人両名は,仰向けの状態にある被害者にズボンをはかせよう としたが,被害者が足を動かすなどしたため,すぐにはかせることができ なかったこと,すると,同日午後4時14分9秒に,仰向けの被害者が突 然伸ばした左足が被告人Aに当たったこと,その後,同日午後4時15分 29秒に,Gが再度保護室に入室し,被告人両名と共に被害者にズボンを はかせ,同日午後4時16分43秒,被告人両名が保護室から退室したこ と,上記の被害者及び被告人らの行動は,保護室天井に設置されたカメラ により撮影されていたが,同カメラの録画レートは4IPSであり,1秒 間に4枚の画像が録画されていたこと,④被害者は,同月2日午後から両 下肢を動かさなくなり,同月3日に救急搬送先の病院で頸椎骨折,頸髄損 傷,両上肢不全麻痺,両下肢完全麻痺との診断を受け,平成26年4月2 8日,
主文(判決文より)
原判決中,被告人Aに関する部分を破棄する。 被告人Aを免訴する。 検察官の被告人Bに関する控訴を棄却する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。