事件の基本情報
| 裁判所 | 東京高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成30(行コ)262 |
| 判決日 | 2019-04-17 |
| 分類 | 高裁 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 憲法10条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点及び当事者の主張 (1) 争点及び当事者の主張は,下記(2)のとおり当審における控訴人の主張に ついて付加するほか,原判決「事実及び理由」の第2の4に記載のとおりで あるから,これを引用する。 (2) 当審における控訴人の主張 ア 国籍法3条1項の解釈について (ア) 国籍取得者の範囲を国籍法に委ねるとした憲法10条の趣旨によれ ば,国籍法は,国家の構成員の範囲を定める国家存立の基本に関する公 法であるから,その解釈に当たっては,拡張解釈や類推解釈を極力避け ることが要請され,国籍法3条1項の「認知」との文言についても,私 法規定の適用のみによっては不平等・不合理となる場合に限って拡張解 釈や類推解釈が許されるべきであり,原判決のように,国籍法が我が国 の構成員としての資格という国家の根幹に関する事項を規律しているこ とを重視し,公法上のなされるべき解釈を仮定して,その解釈に沿うよ うな私法の解釈と異なる目的論的解釈を行うことは憲法10条の趣旨に 反する。 (イ) 国籍法3条1項の認知について,父子間の血縁関係を絶対的な要件 として設けるのであれば,法律の制定の際にその旨を文言上付加したは ずであり,そのような要件が加重されていない上,私法上の概念によっ ても特段の不平等・不合理となることもないにもかかわらず,生物学上 の父子関係が存することとの要件を付加することは許されない。 イ 本件認知の効力 (ア) 認知の有効・無効については,私法上の規定の適用により判断され るべきであり,公法上の解釈の必要性を持ち出して,個別事情を一切考 慮せず,血縁関係がなければ当事者間でも認知は無効であると判断する のは相当ではない。また,認知という一つの身分行為について,私法の 適用上,国家に対して無効を主張することができなくなっているにもか かわらず,当事者間では無効とすることは無意味である上,法律関係の 確定は煩雑になり,法的不安定な状態となって,混乱を呼ぶことになっ てしまう。 (イ) コロンビアで行われた本件認知の私法上の効力は,法適用通則法の 解釈の問題となるところ,血縁関係のない父の認知については,同法4 2条の適用を受けるかが問題となる。そして,血縁関係のない父による 認知は,我が国においても利害関係人による訴えを待たずに絶対的に無 効となるわけではないことからすると,それは公の秩序に反していると まではいえず,国籍取得のための仮装認知の場合に限って公序の問題と なって法適用通則法42条が適用され,それ以外の場合,すなわち,認 知が家族関係の構築を目的としてされた場合には,公序の問題とならず, 同条は適用されない。そして,本件認知は,控訴人の母がAと婚姻し, 日本において夫婦としての生活を構築し,控訴人と弟が本件認知ととも にA夫婦と同居を開始して,これまで
主文(判決文より)
1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。