殺人

事件の基本情報

裁判所東京高等裁判所
事件番号平成30(う)2200
判決日2019-04-25
分類高裁
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点に沿って説示し,被告人に殺人罪
の成立を認めた。
死因は本件薬剤による薬物中毒か
ア 解剖の結果,被害児の血液と胃内容には,メトホルミンとアムロジ
ピンがそれぞれ含まれていたことが判明した。
イ A証人は,被害児の死因は,本件薬剤による薬物中毒であり,具体
的には,アムロジピンが中心的で直接的な死因であり,メトホルミン
は,アムロジピンの作用と助長し合って乳酸アシドーシスを起こした
可能性がある,と供述する。
同証人は,新生児医療を専門とする経験豊富な小児科医であり,新
生児の特性を考慮した上で,専門的知見に基づく合理的で説得力ある
内容を供述している。その供述は,薬物の作用に関しては毒物学の専
門家であるB証人の供述と,死因に関しては法医学者であるC証人の
供述と,それぞれ整合していて信用性が高い。
ウ 原審弁護人は,薬物博士であるD証人の供述等に基づき,死因が本
件薬剤による薬物中毒であるとの立証は不十分であり,死因は不明で,
乳幼児突然死症候群等の疑いがあると主張するが,弁護人の主張を検
討しても,A証人の供述の信用性に疑問は生じない。
エ 結局,被害児の死因が本件薬剤による薬物中毒であることは,A証
人の供述等により十分立証されていると認められる。
被告人が本件薬剤を故意に被害児に投与したか
ア 本件薬剤は故意に被害児に投与されたと認められるか
本件当時,糖尿病及び高血圧症を患う被告人の母親のためにアム
ロジピン錠剤(以下「アムロジピン錠」という。)及びメトホルミン
錠剤(以下「メトホルミン錠」という。)が処方され,これらは被告
人及び被害児が同居する自宅に保管されていた。被害児に投与され
た本件薬剤の量について,B証人は,アムロジピン錠2錠程度及び
メトホルミン錠1錠程度に相当するとし,D証人は,アムロジピン
錠は1錠程度に相当するという。そうすると,被害児に対し,少な
くともアムロジピン錠及びメトホルミン錠1錠ずつ程度が投与さ
れたと認められる。
被害児の胃内容からも本件薬剤が検出されていることなどに照
らすと,本件薬剤は経口投与されたものと認められる。
被害児に投与された本件薬剤は,母親に処方されたアムロジピン
錠及びメトホルミン錠であると考えるのが自然であり,被害児が,
自分で本件薬剤を誤飲するとは考えられないから,被害児以外の者
の行為により摂取したと認められる。
そして,被害児に錠剤を飲み込ませるのは困難であるから,本件
薬剤を摂取させた者は,アムロジピン錠及びメトホルミン錠の少な
くとも1錠ずつを,砕いて粉末状にして白湯等に溶かすか,錠剤の
まま熱湯等に投入し激しく攪拌してから,被害児に飲ませるなどし
たものと考えられるから,故意に投与したものと推認できる。
原審弁護人は,母親に処方された本件薬剤の錠剤が,自宅の台所
にあった電気ポ

主文(判決文より)

本件控訴を棄却する。
当審における未決勾留日数中120日を原判決の刑に算入する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。