事件の基本情報
| 裁判所 | 東京高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和1(ネ)3621 |
| 判決日 | 2020-01-15 |
| 分類 | 行政 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 刑事訴訟法197条1項、刑事訴訟法203条1項、国家賠償法1条1項 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点 控訴人に食事を提供しなかったことの国家賠償法上の違法性の有無 損害発生の有無及び損害額 5 争点に関する当事者の主張 控訴人に食事を提供しなかったことの国家賠償法上の違法性の有 無)について ア 控訴人の主張 身柄拘束中の被疑者の取調べや留置を担当する警察官は,憲法,刑事 訴訟法197条1項ただし書,警察官職務執行法1条2項,刑事収容施 設及び被収容者等の処遇に関する法律(以下「刑事収容施設法」という。) 38条1号,同186条1項2号により,適切な時期に当該被疑者に食 事をとらせる義務を負っているところ,A署所属の警察官はこれを怠り, 平成30年3月2日午後2時45分頃から実質的に拘束状態にあった 控訴人に翌朝午前7時頃まで食事を提供しなかったものであるから,そ の不作為には国家賠償法1条1項の違法がある。 控訴人は,留置者の食事が通常午後5時前後に提供されることを知っ ており,平成30年3月2日午後4時37分頃,B署において,捜査共 助課所属の警察官に対して食事の提供を申し入れたところ,同警察官か らA署で食事が提供される旨伝えられたため,同警察官が同署の留置係 所属の警察官に対して食事を手配するよう連絡しており,同署に連行さ れてから食事の提供がされるものと考え,同署に到着してからも留置場 に留置されるまでの間,食事の提供を求めなかった。ところが,留置場 に留置された後も食事が提供されることはなかったため,控訴人は同署 の留置係の警察官に対して,食事の提供を求めたが,夕食が提供される ことはなかった。 イ 被控訴人の主張 上記ア 法令は,警察官が留置前の被逮捕者に食事を提供すべき義 務を負う旨を定めたものではなく,他にその旨を定めた法令もない。 警視庁においては,逮捕後留置前の被疑者の食事について,留置担当 の警察官が,公費で食糧の買入れ等を行った上,これを当該被疑者に提 供しているが,このような取扱いは運用により行われているにすぎず, 留置前の被逮捕者である控訴人に食事が提供されなかったからといっ て,控訴人の権利又は法益が現実に侵害されたということはできない。 控訴人がB署において捜査共助課所属の警察官に対して,夕食の提供 を求めたことはなく,同警察官が控訴人に対しA署において夕食が提供 されるなどと説明したことはない。また,同署に到着してから留置場の 居室内で就寝するまでの間も,控訴人が,同署の留置係又は組織犯罪対 策課所属の警察官に対して,食事をとっていない旨,あるいは,食事を とりたい旨を申し出たことはなく,控訴人から平成30年3月3日午前 6時40分頃に同署所属の警察官に対して夕食をとっていないとの苦 情があり,控訴人に夕食を提供していないことが判明した後,日課時限 に従って午前7時に朝食を支給したのであって,同署所属の警察官が控 訴
主文(判決文より)
1 原判決を取り消す。 2 被控訴人は,控訴人に対し,1万1000円及びこれに対する 平成30年3月2日から支払済みまで年5%の割合による金員 を支払え。 3 控訴人のその余の請求を棄却する。 4 訴訟費用は,第1,2審を通じて,これを10分し,その1を 被控訴人の負担とし,その余を控訴人の負担とする。 5 この判決は,第2項に限り,本判決が被控訴人に送達された日 から14日を経過したときは,仮に執行することができる。ただ し,被控訴人が1万1000円の担保を供するときは,その仮執 行を免れることができる。
出典
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