共通義務確認請求事件

事件の基本情報

裁判所最高裁判所
事件番号令和4(受)1041
判決日2024-03-12
分類最高裁
判決種別判決

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点の多寡及び内容、当該争点に関する個々の消費者の個別
の事情の共通性及び重要性、想定される審理内容等に照らして、消費者ごとに相当
程度の審理を要する場合であると解される。
これを本件についてみると、上告人が主張する被上告人らの不法行為の内容は、
被上告人らが本件対象消費者に対して仮想通貨に関し誰でも確実に稼ぐことができ
る簡単な方法があるなどとして、本件各商品につき虚偽又は実際とは著しくかけ離
れた誇大な効果を強調した説明をしてこれらを販売するなどしたというものである
ところ、前記事実関係によれば、被上告人らの説明は本件ウェブサイトに掲載され
た文言や本件動画によって行われたものであるから、本件対象消費者が上記説明を
受けて本件各商品を購入したという主要な経緯は共通しているということができる
上、その説明から生じ得る誤信の内容も共通しているということができる。そし
て、本件各商品は、投資対象である仮想通貨の内容等を解説し、又は取引のための
システム等を提供するものにすぎず、仮想通貨への投資そのものではないことから
すれば、過失相殺の審理において、本件対象消費者ごとに仮想通貨への投資を含む
投資の知識や経験の有無及び程度を考慮する必要性が高いとはいえない。また、本
件対象消費者につき、過失相殺をするかどうか及び仮に過失相殺をするとした場合
のその過失の割合が争われたときには、簡易確定手続を行うこととなる裁判所にお
いて、適切な審理運営上の工夫を講ずることも考えられる。これらの事情に照らせ
ば、過失相殺に関して本件対象消費者ごとに相当程度の審理を要するとはいえな
い。さらに、上記のとおり、本件対象消費者が上記説明を受けて本件各商品を購入
したという主要な経緯は共通しているところ、上記説明から生じた誤信に基づき本
件対象消費者が本件各商品を購入したと考えることには合理性があることに鑑みれ
ば、本件対象消費者ごとに因果関係の存否に関する事情が様々であるとはいえない
から、因果関係に関して本件対象消費者ごとに相当程度の審理を要するとはいえな
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い。
以上によれば、過失相殺及び因果関係に関する審理判断を理由として、本件につ
いて、法3条4項にいう「簡易確定手続において対象債権の存否及び内容を適切か
つ迅速に判断することが困難であると認めるとき」に該当するとした原審の判断に
は、同項の解釈適用を誤った違法がある。そして、他に予想される当事者の主張等
を考慮し、個々の消費者の対象債権の存否及び内容に関して審理判断をすることが
予想される争点の多寡及び内容等に照らしても、本件対象消費者ごとに相当程度の
審理を要するとはいえない。
5 したがって、原審の上記判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令
の違反がある。論旨は理由があり、原判決は破棄を免れない。そして

主文(判決文より)

原判決を破棄し、第1審判決を取り消す。
本件を東京地方裁判所に差し戻す。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。