事件の基本情報
| 裁判所 | 最高裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成20(あ)1320 |
| 判決日 | 2011-12-06 |
| 分類 | 最高裁 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
- 藤沢抱一(検察官)/東京弁護士会
争点(判決文より)
争点の核心部分について事実の取調べをしているから, 前提を欠き,その余は,憲法違反,判例違反をいう点を含め,実質は事実誤認,単 なる法令違反の主張であって,いずれも刑訴法405条の上告理由に当たらない。 なお,所論に鑑み記録を調査しても,同法411条を適用すべきものとは認めら れない。被告人が,会社経営者らに対し,強制執行を免れるための仮装の手段によ る財産隠匿行為として,別の会社に賃貸人を変更したように装い,テナントをし て,その会社の口座に賃料を振り込ませる方策を助言し,上記経営者らの強制執行 妨害行為を幇助したと認定した原判断は,正当として是認できる。 よって,同法414条,386条1項3号により,裁判官田原睦夫の反対意見が あるほか,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。 裁判官田原睦夫の反対意見は,次のとおりである。 私は,多数意見と異なり,原判決が認定する平成5年2月19日における有限会 社A(以下「A」という。)のB社長(以下「B」という。)外による,A所有の 賃貸建物について強制執行免脱目的で賃貸人名義をA以外の第三者名義に変更する 旨の共謀について,その成立を認定することにつき合理的な疑いを払拭できず,ま - 1 - た,原判決が認定する,同日,被告人がA側にテナントへの賃貸人変更通知書の雛 型を渡して「賃貸人変更方策」を助言したとの原判決判示第1にかかる行為を行っ た際に,Bらにおいて強制執行を免れるための仮装の手段による財産隠匿行為とし て賃貸人名義の変更を意図していたこと(Bらの犯意)を被告人が認識していたと 認定することにつき,なお合理的な疑いを払拭できないと判断する。 更に,原判決が認定する判示第2の平成5年11月4日の被告人の幇助行為は, 原判決判示第1にかかる助言行為の際にBらにおいて上記共謀が成立し,また,被 告人において上記Bらの犯意を認識していたことが前提とされるところ,上記のと おりその前提事実の認定に関して合理的な疑いを払拭することができない以上,被 告人の原判決判示第2の助言行為の際に,被告人において上記のBらの犯意を認識 していたと認めることにつき,合理的な疑いを払拭することができないのである。 以下,分説する。 第1 Bらによる平成5年2月19日の共同謀議の成立について 1 Bらの強制執行妨害罪の成立について Aは,平成5年3月から平成7年9月に掛けて,自社が所有しテナントに賃貸中 であったビル11棟の各テナント(テナント総数は,記録中の数値にバラツキがあ り,直ちには判明しないが約80軒)に対し,賃貸人名義を有限会社C(以下 「C」という。)又は有限会社D(以下「D」という。)に変更する旨の通知を行 ったところ(ただし,全テナントの内何軒に通知されたかは記録上明らかではな い。例えば,原判決判示第1の
主文(判決文より)
本件各上告を棄却する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。