損害賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所最高裁判所
事件番号平成23(受)1039
判決日2012-02-24
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点とな
っている。なお,上告人は,上告人の請求を一部棄却した原判決に対し,弁護士費
用として190万円及びこれに対する平成18年11月22日から支払済みまで年
5分の割合による遅延損害金を求める限度で不服申立てをするものである。
- 1 -
2 原審の確定した事実関係の概要等は,次のとおりである。
(1) 被上告人は,屑類製鋼原料の売買等を目的とする株式会社である。上告人
は,平成13年3月に被上告人に雇用され,平成18年4月24日頃から,チタン
事業部に所属していた。
(2) 上告人は,平成18年11月22日,チタン事業部の工場に設置されてい
た400tプレス機械(以下「本件プレス機」という。)を操作し,チタン材のプ
レス作業に従事していたところ,本件プレス機に両手を挟まれ,両手指挫滅創の傷
害を負い,両手の親指を除く各4指を失うという事故に遭った。
(3) 被上告人は,上告人の使用者として,労働契約上,本件プレス機に安全装
置を設けて作業者の手がプレス板に挟まれる事故を確実に回避する措置を採るべき
義務及び本件プレス機を使用する際の具体的な注意を上告人に与えるべき義務を負
っていたにもかかわらず,これを怠り,その結果,(2)の事故が生じた(以下,上
記の義務違反を「本件安全配慮義務違反」という。)。
(4) 上告人は,訴訟追行を弁護士に委任した上,平成21年1月27日,本件
訴えを提起した。上告人は,原審において,本件安全配慮義務違反と相当因果関係
に立つ損害の賠償として,5913万1878円(うち弁護士費用530万円)及
び遅延損害金を請求していた。
3 原審は,1876万5436円及び遅延損害金の限度で債務不履行に基づく
損害賠償請求を認容したものの,弁護士費用の請求については,失当であると判断
して,これを棄却した。
4 しかしながら,弁護士費用の請求を棄却した原審の上記判断は,是認するこ
とができない。その理由は,次のとおりである。
- 2 -
労働者が,就労中の事故等につき,使用者に対し,その安全配慮義務違反を理由
とする債務不履行に基づく損害賠償を請求する場合には,不法行為に基づく損害賠
償を請求する場合と同様,その労働者において,具体的事案に応じ,損害の発生及
びその額のみならず,使用者の安全配慮義務の内容を特定し,かつ,義務違反に該
当する事実を主張立証する責任を負うのであって(最高裁昭和54年(オ)第90
3号同56年2月16日第二小法廷判決・民集35巻1号56頁参照),労働者が
主張立証すべき事実は,不法行為に基づく損害賠償を請求する場合とほとんど変わ
るところがない。そうすると,使用者の安全配慮義務違反を理由とする債務不履行
に基づく損害賠償請求権は,労働者がこれを訴訟上行使するためには弁護士に委任
しなければ十分な訴訟活動をする

主文(判決文より)

1 原判決中,債務不履行に基づく損害賠償請求のう
ち,弁護士費用に関する部分につき,190万円及
びこれに対する平成21年2月1日から支払済みま
で年5分の割合による金員の請求を棄却した部分を
破棄する。
2 前項の破棄部分につき,本件を大阪高等裁判所に差
し戻す。
3 その余の本件上告を棄却する。
4 前項に関する上告費用は上告人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。