業務上過失致死傷被告事件

事件の基本情報

裁判所最高裁判所
事件番号令和5(あ)246
判決日2025-03-05
分類最高裁
判決種別決定

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及び証拠の整理がさ
れ、第1審以来、被告人らにおいて、本件発電所に一定以上の高さの津波が襲来す
ることについての予見可能性があったと認められるか否かが主たる争点であるとさ
れた。具体的には、本件地震は、平成23年3月11日、三陸沖(牡鹿半島の東南
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東約130㎞付近、深さ約24㎞で、本件発電所からの震央距離約178㎞、震源
距離約180㎞の地点)を震源として発生し、地震の規模を示すマグニチュードは
モーメントマグニチュード(震源の物理的な規模を表す地震モーメントから決めら
れる地震の大きさの指標)9.0であり、本件結果は、本件地震に伴い発生した津
波が防波堤を越えて、同発電所の10m盤及び非常用海水系ポンプが配置されてい
た4m盤の全域が浸水したために、同発電所1号機から3号機までは、電源が失わ
れて原子炉停止後も発熱が続く炉心を冷却する機能を喪失し、原子炉圧力容器内の
水位が低下して燃料が気体部分に露出する状態になり、被覆管の材料の化学反応に
より大量の水素ガスが発生し、水素ガスに着火して原子炉建屋が爆発し、放射性物
質が大気に放出されるという経過で引き起こされたものであったところ、同発電所
に10m盤を超える津波が襲来することについて、被告人らに予見可能性があった
と認められるか否かが問題となった。
⑵ 第1審判決は、被告人らにおいて、本件公訴事実に係る業務上過失致死傷罪
の成立に必要な予見可能性があったものと合理的な疑いを超えて認定することがで
きず、犯罪の証明がないことになるとして、被告人らは無罪であるとした。
⑶ 第1審判決に対し、指定弁護士が控訴し、事実誤認等を主張したが、原判決
は第1審判決を是認した。その判断の要旨は、以下のとおりである。
ア 過失における結果回避可能性ないし結果回避義務は、義務を負うべき者に対
して結果発生を回避すべき具体的な措置を義務付けるものであるから、それに対応
する予見可能性ないし予見義務も、そのような具体的な結果回避措置との関係で論
じられるべきである。
そして、本件結果の回避措置として、指定弁護士が、防潮堤設置等の措置を講じ
て完了させることで本件事故を回避できたとは主張せず、これらの措置の完了まで
の間、本件発電所の運転停止措置を講じるべきであったと主張していたことを踏ま
えると、同発電所の運転停止義務を課すにふさわしい予見可能性があったと認めら
れるかが本件の核心であり、また、防潮堤設置等の措置による回避可能性があった
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という立証も不十分であることなどから、被告人らに、同発電所の運転を停止する
という回避措置に応じた予見可能性ないし予見義務があったか否かが問題となる。
イ 指定弁護士は、被告人らにおいて本件発電所に10m盤を超える津波が襲来
することの予見可能性があったと認められると

主文(判決文より)

本件各上告を棄却する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。