接見等禁止の裁判に対する準抗告棄却決定に対する特別抗告事件

事件の基本情報

裁判所最高裁判所
事件番号平成31(し)113
判決日2019-03-13
分類最高裁
判決種別決定

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点は責任能力の有無,
程度に絞られた。検察官は,完全責任能力を主張するのに対し,弁護人は,飲酒と
服用した薬の影響により,被告人に急性の意識障害が生じて,心神喪失又は心神耗
弱の状態にあったと主張した。弁護人は,責任能力の鑑定を依頼したA医師(以下
「A医師」という。)及び情状に関して被告人の妹の証人尋問を請求するとしてい
- 1 -
る。弁護人は,平成31年2月7日,A医師及び被告人の妹について,罪証隠滅を
疑うに足りる相当な理由はなく,公判における防御の準備のため接見等を行う必要
が高いとして,接見等禁止の一部解除を申請したが,職権発動がされなかったこと
から,同月18日,主位的に原々裁判を取り消して接見等禁止請求を却下し,予備
的にA医師及び被告人の妹を接見等禁止の対象から除外することを求める本件準抗
告を申し立てた。
3 原決定は,弁護人の予定主張から予想される立証対象及びこれに係る証拠構
造に照らすと,現時点で被告人に自由な接見等を認めれば,被告人が関係者に対し
て直接又は第三者を介して働き掛けるなどして,責任能力や重要な情状に関する事
実について罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があり,原々裁判時はもとよ
り原決定時においてもなお,被告人を勾留することのみによってはこの罪証隠滅の
おそれを防止することは困難であり,A医師についても,無限定に接見等を認める
ときには同様であるから,A医師及び被告人の妹も含めて接見等を禁止する必要が
あり,弁護人が防御等の必要性として主張するところを考慮しても,前記判断を左
右しないとして,本件準抗告を棄却した。これに対し,弁護人が特別抗告を申し立
てた。
4 そこで検討すると,原々裁判が,公判前整理手続に付される本件について,
接見等禁止の終期を第1回公判期日が終了する日までの間と定めたことは,公判前
整理手続における争点及び証拠の整理等により,罪証隠滅の対象や具体的なおそれ
の有無,程度が変動し得るにもかかわらず,接見等禁止を長期間にわたり継続させ
かねないものである。このような原々裁判について,平成31年2月に至り,接見
等禁止の一部解除の申請について職権が発動されず,原決定が公判前整理手続の経
過等を考慮した上で本件準抗告を棄却したという経緯を踏まえると,当審において
も,前記公判前整理手続の経過等原々裁判後の事情をも考慮して原決定の当否を判
断するのが相当である。
5 本件では,公判前整理手続において,弁護人の予定主張が明示され,主な争
- 2 -
点が責任能力の有無,程度に絞られたこと,争点に関する証人として,起訴前鑑定
をした医師とA医師のほか,犯行を目撃した被害者の妻らが予定されていること,
A医師については,接見等禁止の一部解除の申請に対する検察官の意見書におい
て,接見等を行う必要性がないと

主文(判決文より)

原決定を取り消す。
本件を和歌山地方裁判所に差し戻す。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。