事件の基本情報
| 裁判所 | 知的財産高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成22(ネ)10008 |
| 判決日 | 2010-06-29 |
| 分類 | 知的財産 / 著作 |
| 判決種別 | 判決 |
| 当事者 | 被控訴人 株式会社小学館被控訴人Y被控訴人ら |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点及びこれに関する当事者の主張 争いのない事実等,争点及びこれに関する当事者の主張は,当審における当 -2- 事者の主張を次のとおり付加するほか,原判決の「事実及び理由」欄の第2の 「事案の概要」の1ないし3(原判決2頁14行目から29頁25行目まで) に記載のとおりであるから,これを引用する。 (当審における当事者の主張(補充)) (1) 原,被告書籍第1部分について (原告の主張) 原告書籍第1部分の記述は,「男は林田則男といい,・・・100億円近い 資産を食い潰されそうなので,・・・取り戻したいという依頼であった。」, 「私は,軽い気持ちで,同業としてそんな面汚しはとことん懲らしめてやらね ばならないと思うと同時に,この依頼を首尾よく解決すれば,わが貧乏弁護士 事務所にもそれなりの潤いがもたらされるかもしれないとの期待も抱いた。」 というものである。 原告書籍第1部分には,表現上の特徴がある。すなわち,原告書籍第1部分 は,原告は,依頼を受けた際,報酬への期待を抱いていなかったにもかかわら ず,事件を受任する際に弁護士が報酬を期待するという感情を抱いたというユ ーモアを交えた表現を加え,笑いと親近感を持たせようとの意図を表現した。 上記表現は,ありふれたものではない。 他方,被告書籍第1部分の記載は,「これはいい事件だ。数億円を損害賠償 させれば,報酬が・・・」,「それより顧問弁護士が数億円も横領した事件を 解決すれば,ニュースになるぞ」など,原告書籍第1部分と共通する内容を記 載している。 被告書籍第1部分は原告書籍第1部分の表現上の本質的な特徴において共 通するから,原告書籍第1部分の翻案に当たる。 (被告らの反論) 原告書籍第1部分は,原告は,受任当時から報酬を期待していなかったにも かかわらず,「報酬を期待する俗物たる内心」を付加した点に,表現上の創作 -3- 性があると主張する。 しかし,原告書籍第1部分の「報酬を期待する」との内容は,表現ではなく, アイデアである。原告書籍第1部分と被告書籍第1部分との間において,「報 酬を期待する」との共通する内容が含まれていても,後者が前者の翻案である ことにはならない。 (2) 原,被告書籍第2部分について (原告の主張) 原告書籍第2部分には,「(株)林田の事務所を自分の法律事務所のあるビ ルの1階上に移転させ,そこに(株)林田の社長室及び弁護士室の表示をして 同室を自由に使い,(株)林田を場所的にも完全に支配したのである。」,「5 階の社長室,弁護士室と書かれた部屋に通され」との記述が存在する。 原告書籍の上記部分は,顧問弁護士とオーナー(依頼者)との主従逆転の人 間(支配)関係を冒頭で読者にわかりやすく印象づけるため,訪問先の稲山弁 護士の事務所の入り口の情景を,「5階の社長室,弁護士室と書か
主文(判決文より)
1 本件控訴をいずれも棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。