医師法違反被告事件

事件の基本情報

裁判所最高裁判所
事件番号平成30(あ)1790
判決日2020-09-16
分類最高裁
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点となっている。
第1審判決は,医行為とは,医師が行うのでなければ保健衛生上危害を生ずるお
それのある行為をいうと解した上で,被告人の行為は,医師が行うのでなければ皮
膚障害等を生ずるおそれがあるから医行為に当たる旨判示して,被告人を罰金15
万円に処した。
被告人が控訴し,医師法17条の解釈適用の誤りを主張したところ,原判決は,
医行為とは,医療及び保健指導に属する行為の中で,医師が行うのでなければ保健
衛生上危害を生ずるおそれのある行為をいうと解した上で,被告人の行為は,医師
が行うのでなければ皮膚障害等を生ずるおそれはあるが,医療及び保健指導に属す
る行為ではないから,医行為に当たらない旨判示して,刑訴法397条1項,38
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0条により第1審判決を破棄し,無罪を言い渡した。
2 所論は,医療及び保健指導に属する行為か否かを問わず,医師が行うのでな
ければ保健衛生上危害を生ずるおそれのある行為であれば,医行為に当たると解す
べきであり,被告人の行為は医行為に当たるから,原判決には判決に影響を及ぼす
べき法令の違反があり,これを破棄しなければ著しく正義に反する旨主張する。
3 そこで検討すると,上記原判断は正当なものとして是認することができる。
その理由は,次のとおりである。
(1) 医師法は,医療及び保健指導を医師の職分として定め,医師がこの職分を
果たすことにより,公衆衛生の向上及び増進に寄与し,もって国民の健康な生活を
確保することを目的とし(1条),この目的を達成するため,医師国家試験や免許
制度等を設けて,高度の医学的知識及び技能を具有した医師により医療及び保健指
導が実施されることを担保する(2条,6条,9条等)とともに,無資格者による
医業を禁止している(17条)。
このような医師法の各規定に鑑みると,同法17条は,医師の職分である医療及
び保健指導を,医師ではない無資格者が行うことによって生ずる保健衛生上の危険
を防止しようとする規定であると解される。
したがって,医行為とは,医療及び保健指導に属する行為のうち,医師が行うの
でなければ保健衛生上危害を生ずるおそれのある行為をいうと解するのが相当であ
る。
(2) ある行為が医行為に当たるか否かを判断する際には,当該行為の方法や作
用を検討する必要があるが,方法や作用が同じ行為でも,その目的,行為者と相手
方との関係,当該行為が行われる際の具体的な状況等によって,医療及び保健指導
に属する行為か否かや,保健衛生上危害を生ずるおそれがあるか否かが異なり得
る。また,医師法17条は,医師に医行為を独占させるという方法によって保健衛
生上の危険を防止しようとする規定であるから,医師が独占して行うことの可否や
当否等を判断するため,当該行為の実情や社会における受け止め方等をも考慮する
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主文(判決文より)

本件上告を棄却する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。