審決取消請求事件

事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号平成22(行ケ)10035
判決日2010-11-01
分類知的財産 / 特許
判決種別判決
判決文が挙げた条文特許法29条2項

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点は,本願発明(請求項1に係る発明)の進歩性の有無であ
る。
1 特許庁における手続の経緯
原告は,平成12年(2000年)10月16日,名称を「ガランタミン及び甘
味剤を含む経口液剤」とする発明について,欧州特許庁をパリ条約による優先権主
張国とし,優先日を平成11年(1999年)10月26日とする国際特許出願を
したが(特願2001−532738号,請求項の数10),平成18年8月8日付
けで,特許庁から拒絶査定を受けた。
そこで,原告は,平成18年11月13日,上記拒絶査定につき不服審判請求を
するとともに,平成18年12月12日付けで特許請求の範囲の記載を一部改める
補正をしたところ,特許庁はこれを不服2006−25590号事件として審理し
た上で,平成21年9月7日,「本件審判の請求は,成り立たない。」との審決をし,
その謄本は平成21年10月5日に原告に送達された。
2 本願発明の要旨
本件の出願に係る発明は,アルツハイマー病やアルコール依存症(アルコール中
毒症)等の治療に用いられる化合物ガランタミン及びその塩類に係る経口液剤,そ
の使用方法及び調製方法に関する発明で,請求項の数は前記のとおり10であるが,
本願発明の特許請求の範囲は以下のとおりである。
【請求項1】
「0.005〜3%(w/v)の強力甘味料である甘味剤を含んで成り且つバル
クの液体のキャリヤーが水性であることを特徴とする,ガランタミンもしくは製薬
学的に許容できるその付加塩を含んで成る経口液剤。」
3 審決の理由の要点
本願発明は,下記引用例2,3に記載された周知技術を勘案することにより,引
用例1に記載された発明(以下「引用発明」という。)に基づいて当業者が容易に発
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明できたもので進歩性を欠く(特許法29条2項)。
【引用例1】(甲1)
特開平4−221315号公報
【引用例2】(甲2)
特開平10−273435号公報
【引用例3】(甲3)
国際公開第99/39691号公報
審決が認定した引用発明の要旨,本願発明と引用発明の一致点及び相違点はそれ
ぞれ下記のとおりである。
【引用発明の要旨】
「活性物質ガランタミンまたはその薬学的に受入れ可能な酸添加塩類を用い,経
口投与で用い,水を溶媒とする溶液の製剤」。
【引用発明と本願発明の一致点】
「バルクの液体のキャリヤーが水性である,ガランタミンもしくは製薬学的に許
容できるその付加塩を含んで成る経口液剤」である点。
【引用発明と本願発明の相違点】
「本願発明では,『0.005〜3%(w/v)の強力甘味料である甘味剤を含ん
で成り』と特定しているのに対し,引用発明ではそのように特定していない点」。

主文(判決文より)

原告の請求を棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。
この判決に対する上告及び上告受理申立てのための付加期間を30日と
定める。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。