審決取消請求事件

事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号平成21(行ケ)10366
判決日2010-12-06
分類知的財産 / 特許
判決種別判決
判決文が挙げた条文特許法29条2項
当事者原告 住友金属工業株式会社

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点は,本願発明の進歩性(容易想到性)の有無である。
1 特許庁における手続の経緯
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原告は,平成12年2月28日,名称を「耐疲労特性に優れた高強度無方向性電
磁鋼板とその製造法」とする発明につき特許出願したが(特願2000−5186
1号),平成19年8月22日,拒絶査定を受けた。そこで,原告は,平成19年9
月26日,拒絶査定につき不服審判請求をし,不服2007−26326号として
特許庁に係属したが,特許庁は,平成21年9月28日,「本件審判の請求は,成り
立たない。」との審決をし,その謄本は平成21年10月21日に原告に送達された。
2 本願発明の要旨
本願発明は高速回転を必要とする回転機のロータに用いられる無方向性電磁鋼板
に関する発明で,平成21年8月18日付け手続補正書(甲7)に記載の請求項の
数は3であるが,審決が本願発明とした請求項1に係る発明の特許請求の範囲は以
下のとおりである。
【請求項1】
「質量%で,
C:0.01%以下,Si:0.3%以上2.9%以下,Mn:2.0%以下,
S:0.001%以上0.01%以下,酸可溶Al:0.7%以上3.0%以下,
P:0.1%以下,
N:0.0050%以下,残部Feおよび不可避不純物より成る鋼組成を有し,
下記式(1)〜(3)を満たすことを特徴とする無方向性電磁鋼板。
Sieq*σw/τ≧4.0・・・・・(1)
σw≧350・・・・・(2)
τ≦95 ・・・・・(3)
ただし,Sieq=Si+酸可溶Al+1/2Mn(すべてSi,Al,Mnは
それぞれの化学成分の質量%),σwは表面コーティングおよび打ち抜き加工後の疲
労限(MPa),τはフェライト結晶粒径(μm)である。」
3 審決の理由の要点
本願発明と下記引用例に記載された発明(以下「引用発明」という。)を対比する
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と,下記の点で一致する一方で相違点1ないし3があるが,相違点1を解消するこ
とは,当業者が容易になし得た等価成分間の含有量調整であり,相違点2,3は実
質的な差異ではないから,本願発明は引用発明に基づいて当業者が容易に発明でき
たもので進歩性を欠く(特許法29条2項)。
【引用例】(甲1)
特開平11−310857号公報
なお,審決が認定した引用発明の要旨,本件発明と引用発明の一致点及び相違点
はそれぞれ次のとおりであり,原告においても次の各点を争っていない。
【引用発明の要旨】
「重量%で,
C:0.002%,Si:3.1%,Mn:0.9%,P:0.07%,S:0.
001%,sol.Al:0.80%,残部Feおよび不可避不純物より成る鋼組
成を有する無方向性電磁鋼板。」
【本願発明と引用発明の一致点】
「質量%で,
C:0.01%以下,Mn:2.0%以下,S:0.001%以上0.01%以
下,酸可溶Al

主文(判決文より)

特許庁が不服2007−26326号事件について平成21年9月28
日にした審決を取り消す。
訴訟費用は被告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。