事件の基本情報
| 裁判所 | 知的財産高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成22(ネ)10072 |
| 判決日 | 2011-09-13 |
| 分類 | 知的財産 / 特許 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点に関する 当事者の主張」記載のとおりである。 2 当審における控訴人の主張 (1) 構成要件充足の有無について ア 構成要件Bの「セルを開口させずに」について (ア) 原判決は,「構成要件Bにいう『セルを開口させずに』とは,『研磨 布の表面層にセルに通じる穴(通気・通水可能な穴も含む。)が開いていないこと』 を意味するものと解するのが相当である。」と判断した。しかし,特許請求の範囲 に記載された語句を解釈するには,まずは明細書の記載を参酌すべきである。 本件明細書には,従来構造の研磨布では,①スキン層を研削してフォームの層内 に内包しているセル(気泡)を横から切断し,セル空洞を表面層の表面に「開口さ せ」て「ハニカム状のセル構造」(段落【0007】)を作り出すようにされてい ること,そして,②このセル空洞の開口部分,即ち「クレータ状空洞部分」(段落 【0008】)が,研磨液を保持して研磨することが記載されている。ハニカム状 とは蜂の巣状の意味であり,「ハニカム状のセル構造」(段落【0007】)とは, - 3 - セルを横から切断することによって形成される開口部分(「クレータ状空洞部分」) が,蜂の巣のように表面層に多数むき出しにされた状態にある構造を示している。 また,この開口部分の底とセルを取り囲む壁の先端部分(切り口)には高低差があ り,セルを取り囲む壁の先端部分にはささくれた,不規則なギザギザなどのばらつ きが見られ,複雑な凹凸の形状になっている。 次に,本件明細書には,上記のような従来品の問題点として,「セルを取り囲む 壁の先端部分(切り口)」だけがワークに接触し,局部的な当接により研磨が不均 一となり,これがうねり等の原因となって,表面を整形するための慣らし運転が長 時間必要となることや,表面全体にむき出しているクレータ状空洞部分やセルの周 囲にある壁の不規則な凹凸のために,セル内やその周辺に砥粒(スラリー),スラ ッジその他異物が凝集・固化しやすく,ワーク表面にスクラッチなどの不具合を生 じさせる原因にもなることが記載され,このことが本件特許発明の解決すべき技術 課題とされている。 そして,本件特許発明は,プラスチックフォームのセル(気泡)を表面に開口さ せた従来の研磨布と比べて(段落【0017】),研磨布の表面層を形成している プラスチックフォームのスキン層がワークの加工面全域に直接当接して研磨作用に 関与し,層内に内包した発泡セルはクッションの役目を果たし(段落【0018】), 研磨液が,ワークと研磨布のスキン層表面との間を流れた後にそのまま系外へ流出 するので,研磨に伴って生じたスラッジなどの異物も研磨布に付着,滞留すること なく研磨液に随伴して素早く系外に排出され(段落【0019】),研磨布の表面 の全面域が平坦な独立気泡フォームのス
主文(判決文より)
本件控訴を棄却する。 控訴人が当審で拡張した請求を棄却する。 当審の訴訟費用は控訴人の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。