審決取消請求事件

事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号平成23(行ケ)10050
判決日2011-10-11
分類知的財産 / 特許
判決種別判決
判決文が挙げた条文特許法29条2項

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点は,進歩性の有無である。
1 特許庁における手続の経緯
原告は,平成13年8月9日,名称を「抗骨粗鬆活性を有する組成物」とする発明
について,特許出願(特願2001-242097号,平成15年2月26日出願
- 1 -
公開,特開2003-55238号)をしたが,平成19年7月24日付けで拒絶
査定を受けたので,同年8月29日,これに対する不服の審判を請求した。
特許庁は,上記請求を不服2007-23664号事件として審理した上,平成
22年12月27日,「本件審判の請求は,成り立たない。」との審決をし,その謄
本は平成23年1月11日原告に送達された。
2 本願発明の要旨
特許請求の範囲の請求項1に係る本願発明は,以下のとおりである。
【請求項1】「カルシウム,キトサン,プロポリスを配合したことを特徴とする抗骨
粗鬆活性を有する組成物。」
3 審決の理由の要点
(1) 本願発明は,引用例A(特開平7-194316号公報,甲1)に記載さ
れた引用発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,
特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
(2) 審決がした引用発明の認定,引用発明と本願発明との一致点及び相違点の
認定並びに相違点についての判断は,次のとおりである。
【引用発明】
「水溶性キトサンおよびカルシウム塩を有効成分とするカルシウム吸収促進性組成
物。」
【一致点】
「カルシウム,キトサンを配合した組成物」
【相違点】
 相違点1
本願発明は,「抗骨粗鬆症活性を有する組成物」であるのに対し,引用発明は,「カ
ルシウム吸収促進性組成物」である点。
② 相違点2
本願発明は,プロポリスを配合するのに対し,引用発明は,これを配合していな
- 2 -
い点。
(相違点1についての判断)
本願発明における「抗骨粗鬆活性を有する」なる記載は,組成物の有する活性を
単に記載したものであり,「カルシウム,キトサンを配合した組成物」の用途を特定
するとは認められないから,相違点1は,実質的な相違点とはいえない。
仮に「抗骨粗鬆活性を有する」なる記載により,組成物の用途が特定されるとし
ても,引用例Aの記載からみて,引用発明は,骨粗鬆症の予防,治療を目的とする
ことが明らかであり,当該技術分野における技術常識を考慮すると,引用発明は,
腸管内でのカルシウムの吸収率を増加させる作用を有し,骨粗鬆症を予防,治療す
るための組成物にほかならないから,相違点1は,実質的な相違点とはいえない。
(相違点2についての判断)
引用例B(特開平9-37711号公報,甲2)の記載からみて,引用例Bの健
康食品にカルシウム塩を配合する目的及び得られる効果として,カルシウム不足に
起因する骨粗鬆症の予防,治療が包含されることが明らかである。また,引用例B

主文(判決文より)

原告の請求を棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。