審決取消請求事件

事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号平成23(行ケ)10097
判決日2011-11-15
分類知的財産 / 特許
判決種別判決
判決文が挙げた条文特許法17条、特許法36条6項2号

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点は,明確性要件違反の有無と補正要件
違反の有無である。
1 特許庁における手続の経緯
原告は,平成18年6月30日,名称を「歯科治療においてあらゆる下顎位の再
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現を迅速にかつ正確に,上下顎模型を咬合器にマウントし,其の時の下顎顆頭にあ
たるコンダイルの位置を記録する事によって,歯科治療に役立つ事の出来る咬合器
とフェイス・ボウ。」とする発明について特許出願(特願2006-180927
号,請求項の数3)をし,平成21年5月22日付けで明細書及び図面の補正(乙
2)をし,平成21年6月17日付けの拒絶理由通知に対して,平成21年8月2
4日付けで特許請求の範囲及び明細書の補正(乙5)をしたが,平成22年1月2
0日付けで拒絶査定を受けたので,平成22年4月28日,拒絶査定に対する不服
審判請求をした(不服2010-9158号)。
特許庁は,平成23年2月8日,上記審判請求につき「本件審判の請求は,成り
立たない。」との審決をし,その謄本は平成23年2月27日,原告に送達された。
2 平成21年8月24日付け補正による特許請求の範囲の請求項1の記載
【請求項1】
歯科治療を行う時上下顎の石膏模型や義歯等を咬合器にマウントしなければいけ
ませんが,其のとき上下,左右,前後の位置,又咬合平面の角度を手早く調整する
こと。
3 審決の理由の要点
(1) 特許法36条6項2号について
本願明細書には,下顎の位置や咬合平面の変化に対応するとの課題のもとに,そ
の課題を解決するための手段として,咬合器の具体的構造やそれを用いた作業手順
を定めることにより,時間と精密度を改善することができ,下顎の位置や咬合平面
の変化に対応できる等の効果を奏する発明が記載されている。
これに対し,請求項1の「歯科治療を行う時上下顎の石膏模型や義歯等を咬合器
にマウントしなければいけませんが,」は,歯科治療時に咬合器へのマウント作業
が必要であるという前提事項の説明を記載したものと解され,「其のとき上下,左
右,前後の位置,又咬合平面の角度を手早く調整すること。」は,位置や角度を手
早く調整すること,すなわち,本願明細書に記載された,下顎の位置や咬合平面の
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変化に対応するとの課題や,時間と精密度を改善でき,下顎の位置や咬合平面の変
化に対応できる等の効果に対応した記載と解される。そうすると,請求項1には本
願明細書に記載された発明の実質的な内容を規定する課題を解決するための手段が
一切記載されていないこととなり,特許を受けようとする発明を明確に把握するこ
とができない。
また,請求項1の「…を手早く調整すること。」は,方法の発明か物の発明かも
明らかでない。
したがって,請求項1の記載は,特許を受けようとする発明が明確でなく,特許
法36条6項2号に規定する要件を満

主文(判決文より)

原告の請求を棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。