補償金請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号平成23(ネ)10036
判決日2011-11-22
分類知的財産 / 特許
判決種別判決

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点は同第2の2記載のとおりである。
第3 当事者の主張
当事者の主張は,控訴審での補充主張を次のとおり付加するほか,原判決「事実
及び理由」の第3「争点に関する当事者の主張」の1ないし3に記載のとおりであ
- 2 -
る。
【原告の補充主張】
1 本件発明1に係る相当の対価について
被告は子会社である沖電線に対してコネクター事業を移管したところ,沖電線が
製造したコネクターのリード部分では,プレス表面の方がプレス裏面よりもめっき
厚が大きくなっている。本件発明1では,絶縁性シートを用いて部分めっきをする
ために,リードの面によってめっき厚が異なることになるから,上記結果は沖電線
が本件発明1を実施していた事実を裏付けるものである。
2 本件発明2に係る相当の対価について
「平成13年度貢献特許報奨の件(お伺い)」(乙6)には報奨金支払対象案件と
して本件発明2が掲載されており,評価欄に●●●●●が計上されている。そうす
ると,被告において本件発明2が実施されたことは明らかである。
3 本件発明1に係る対価請求権の消滅時効の成否について
被告の各規程に従業員に対する実績補償算定の調査結果を通知すべき義務に係る
定めがないとしても,被告に実施実績の回答義務がないとしたり,被告の回答義務
がないことを理由に原告がいつでも実績補償請求権を行使できたとすることは,条
理からいっても許されることではない。従業員たる発明者から承継した特許を受け
る権利は被告の財産であるところ,被告においては,本来自らの事務であるにもか
かわらず,従業員たる発明者個人に実施状況や販売数量等も調査させて調査票を提
出させている。したがって,原告が実施実績に係る調査票(本件調査票)を提出し
たにもかかわらず,被告がこれに回答しないのに,対価請求権(補償金請求権)の
時効期間が進行するとするのは不当である。
そうすると,被告が上記のとおり何ら回答しない以上,原告に対価請求権の行使
を現実に期待できない事情があるというべきであって,本件では消滅時効は完成し
ていないか,被告による消滅時効の援用は信義則に反し権利濫用として許されない。
仮に時効期間が進行するとしても,被告においては,従業員たる発明者からの調
- 3 -
査票の提出(4月1日から5年後の3月31日までを対象とする。),実施実績の調
査を経て補償金が支払われるのであるから,5年ごとに区分された調査期間の末日
から時効期間が開始するのではなく,同末日の翌年4月1日から時効期間が開始す
ると解するのが常識的である。
【原告の補充主張に対する被告の反論】
1 本件発明1に係る相当の対価について
プレス表面と裏面のめっき厚さが異なるからといって,本件発明1を実施したこ
とになるものではない。原告が試験を行なったコネクターは本件特許権1の存続期

主文(判決文より)

本件控訴を棄却する。
控訴費用は控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。