事件の基本情報
| 裁判所 | 知的財産高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成23(行ケ)10047 |
| 判決日 | 2011-11-24 |
| 分類 | 知的財産 / 特許 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 特許法29条1項3号、特許法36条4項1号 |
| 当事者 | 原告 JFEスチール株式会社/被告 新日本製鐵株式会社 |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点は,新規性の有無,進歩性の有無及 び実施可能要件違反の有無である。 1 特許庁における手続の経緯 - 1 - 被告は,平成16年3月8日に,名称を「低鉄損一方向性電磁鋼板」とする発明 について特許出願をし,平成21年7月17日に,本件特許第4344264号と して特許登録を受けた(請求項の数3)。 原告は,平成22年3月15日に,本件特許について無効審判請求をした(無効 2010-800045号)。被告は,その手続中の平成22年5月31日付けで 訂正請求をしたところ,特許庁は,平成23年1月6日,「訂正を認める。本件審 判の請求は,成り立たない。」との審決をし,その謄本は平成23年1月14日に 原告に送達された。 2 本件発明の要旨 平成22年5月31日付け訂正による本件特許の請求項1~3(本件発明1~3) は次のとおりである。 【請求項1】 鋼板表面に形成された引張残留応力と塑性歪からなる歪領域のうち,圧延方向の 前記引張残留応力の最大値が70~150MPaであり,かつ,前記塑性歪の圧延 方向の範囲が0.5mm以下であることを特徴とする低鉄損一方向性電磁鋼板。 【請求項2】 前記歪領域間の圧延方向の間隔が7.0mm以下であることを特徴とする請求項 1に記載の低鉄損一方向性電磁鋼板。 【請求項3】 前記歪領域は,鋼板の圧延方向に対して60~120°の方向に連続的または所 定間隔で形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の低鉄損一方向 性電磁鋼板。 3 審判における原告主張の無効理由 (1) 無効理由1(特許法29条1項3号,同条2項) 本件発明1~3は,「材料 51巻7号(2002年7月)730~735頁」 (甲1)に記載された発明であるか,甲1に記載された発明に基づいて,当業者が - 2 - 容易に発明をすることができたものである。 (2) 無効理由2(特許法29条1項3号,同条2項) 本件発明1~3は,「鉄と鋼 第69年8号(1983年)895~902頁」 (甲2)に記載された発明であるか,甲2に記載された発明に基づいて,当業者が 容易に発明をすることができたものである。 (3) 無効理由3(特許法36条4項1号) 本件明細書には,本件発明1~3に係る低鉄損一方向性電磁鋼板の引張残留応力 の最大値や塑性歪の範囲に影響を及ぼし,その製造を行うために必要な条件である, レーザの種類,レーザ波長,パルス周波数,パルス時間幅,パルスの持続時間,レ ーザビームの強度分布の形状などのレーザ照射条件については何ら記載されておら ず,これらの条件が,本件出願時の技術常識から明らかなものであるとはいえない。 本件発明1~3を充足するかどうかの確認には,煩雑な作業を必要とする単結晶 X線応力解析法やマイクロビッカース硬度計による測定を用いなければならず,当
主文(判決文より)
特許庁が無効2010-800045号事件について平成23年1月6 日にした審決を取り消す。 訴訟費用は被告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。