名称使用差止請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号令和2(ネ)10030
判決日2021-01-26
分類知的財産 / 不正競争
判決種別判決

この事件の代理人

  • 栃木敏明(原告代理人)/第二東京弁護士会

争点(判決文より)

争点
(1) 「望月」の表示が控訴人らにとって他人の周知な営業表示に該当するか否か
(争点1)
(2) 控訴人X6が「望月」の表示と同一の営業表示を使用しているといえるか否
か(争点2)
(3) 混同のおそれがあるか否か(争点3)
(4) 営業上の利益侵害の有無(争点4)
3 当事者の主張
(1) 争点1(「望月」の表示が控訴人らにとって他人の周知な営業表示に該当す
るか否か)について
以下のとおり補正するほかは,原判決5頁15行目から9頁24行目に記載のと
おりであるからこれを引用する。
ア 原判決8頁4行目「平成28年8月付け嘆願書(乙21)」を「平成28
年8月付け嘆願書(乙21。以下,「本件嘆願書」という。)」と改める。
イ 原判決9頁20行目から21行目「平成28年8月付け嘆願書」を「本
件嘆願書」と改める。
(2) 争点2(控訴人X6が「望月」の表示と同一の営業表示を使用しているとい
えるか否か)について
(被控訴人の主張)
控訴人らは,長唄囃子の演奏を行う際における自身の営業表示として,被控訴人
の営業表示である「望月」と同一の「望月」の名称を使用している。
(控訴人X6の主張)
個人の名称については,姓だけではなく,名と併せて区別されるべきであるとこ
ろ,控訴人X6の芸名である「X6’」は,被控訴人の営業表示である「望月太左衛
門」とは同一ではなく,類似でもない。
(3) 争点3(混同のおそれがあるか否か)について
(被控訴人の主張)
ア 被控訴人が望月流家元として,控訴人らに対し,「望月」姓を冠した名取
名を発行・認許した事実はないにもかかわらず,控訴人らが,芸名として「望月」
姓を冠した名取名を使用すると,これに触れる需要者は,控訴人らが被控訴人の主
催する望月流の門弟の者であって,被控訴人が主催する望月流の営業の一環として
されていると誤認混同する。
イ 控訴人X1らの主張に対する反論
望月流は初代太左衛門により創流された長唄囃子の流派であり,「望月太左衛門」
の名跡を襲名した歴代の家元による統制のもとに伝統芸能である長唄囃子の一大流
派として認知されて発展を遂げ,長唄業界,歌舞伎業界及びこれらの愛好者らに周
知となり,流派としての信用を獲得してきたものである。
望月流門下の人物らにおいて「望月」の姓を冠した名取名の認許を受け,自らの
長唄囃子の演奏に際して実名ではなく名取名を用いることは,家元に認められ,望
月流に属する演奏者であることを本件需要者(長唄及びこれに隣接する歌舞伎等の
伝統芸能に携わる者並びに長唄を含む伝統芸能等の愛好者ら)に示すものであり,
望月流家元の認許を得ることなく無断で「望月」の姓を使用して長唄囃子の演奏等
を行うことは,このような望月流の信用による利益を無断で享受し,これにフリー
ライドする行為に当たる。
仮

主文(判決文より)

1 本件各控訴をいずれも棄却する。
2 控訴費用は控訴人らの負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。