事件の基本情報
| 裁判所 | 知的財産高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成24(ネ)10022等 |
| 判決日 | 2012-09-10 |
| 分類 | 知的財産 / 著作 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 著作権法113条1項2号 |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点に関する当事 者の主張」記載のとおりである。 2 当審における原告の主張 (1) 被告らが韓国高麗書林と共謀して韓国書籍を製作したかについて 原判決は,原告が原審で主張した,被告らが韓国高麗書林と共謀して韓国書籍を 製作したことに関する多数の間接事実のうち一部のみを認定し,共謀による製作の 事実は認められない旨判断した。 しかしながら,原判決が認定しなかったその余の事実についても,証拠上容易に 認定可能であり,それらの事実をも総合すれば,共謀による製作の事実は認定でき る。 さらに,韓国書籍の奥付には,韓国高麗書林の住所として「 」と記載されており, B の経営する韓国高麗書林とは住所が異なっ ている。「 」を所在地とする「高麗書林」は遅くと も昭和59(1984)年には存在しており(甲85),被告らが B と決別し - 4 - たと主張する平成元(1989)年以降も,被告会社は,上記所在地の「高麗書林」 から,原告書籍を含めて各種書籍を輸入と称して持ち込んでいる。加えて,上記所 在地の「高麗書林」の平成9(1997)年版の図書目録には,被告会社の発行す る書籍が多数記載されている(甲87)。これらの事情からしても,原告書籍を発 行した上記所在地の「高麗書林」は,被告 Y によるダミー会社である。 また,原判決は, B が韓国書籍の出版前にソウル市内で原告書籍の貸出しを 受けていたことをもって,共同製作を否定する根拠の一つとしているが,上記の間 接事実からすれば, B は原告書籍に関する情報を被告 Y から得ていたと認 定するのが相当である。 (2) 被告らが著作権等侵害の「情を知って」韓国書籍を販売したか(著作権法 113条1項2号)について 上記(1)で主張した事情からすると,被告らは,韓国書籍発行時から,そうでなく とも,これを仕入れた直後には,著作権等の侵害の「情を知って」韓国書籍を販売 した。 (3) 譲渡権侵害の有無について 被告らは,韓国書籍を仕入れた直後には,譲渡権侵害について過失があった。 (4) 原告の損害について 当審での請求内訳は,著作権侵害によるものが1200万円で,著作者人格権侵 害によるものが300万円である。 逸失利益の計算について,原告書籍の販売による原告の利益は売上の6割程度を 下回らない。なぜなら,原告は,コピー機を購入し,原告自身がコピーする方法で 原告書籍を印刷しており,製本と販売のみを外注・委託したからである。 原判決のように,許諾料相当額の損害を認定するとしても,原告書籍の出版方法 を含めた諸事情を総合すれば,許諾料は3割を下回らない。 3 当審における被告らの主張 (1) 譲渡権侵害の有無について - 5 -
主文(判決文より)
- 1 - 1 本件控訴に基づき,原判決を次のとおり変更する。 (1) 被告らは,原告に対し,連帯して363万3759円及びこれに対する 平成16年12月2日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払 え。 (2) 原告のその余の請求を棄却する。 (3) 被告らの反訴請求を棄却する。 2 本件附帯控訴を棄却する。 3 訴訟費用は,第1,2審を通じて(第1審については原告と被告らに関す る部分),これを2分し,その1を原告の,その余を被告らの負担とする。 4 この判決第1項の(1)は,仮に執行することができる。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。