決定処分取消請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号平成24(行コ)10003
判決日2012-09-19
分類知的財産 / 特許
判決種別判決

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点
本件各処分の違法性
第3 当事者の主張
当事者の主張は,次のとおり付加するほかは,原判決の事実及び理由の第2の4
のとおりであるから,これを引用する。
〔控訴人の主張〕
1 原判決は,控訴人が平成21年9月17日に提出した翻訳文は翻訳文提出特
例期間内に提出されたものではないと判断した。
2 しかし,パリ条約に基づく優先権主張を伴う国際特許出願の国内書面及び翻
訳文の提出期間は,優先権主張が有効か無効かによって異なるものである。
すなわち,特許庁のホームページに掲載された「平成19年4月に発効する特許
協力条約規則(PCT規則)の改正の概要」と題する書面(甲8)では,「優先権
主張の自動的維持」の項において,「今回の規則改正により優先権主張の自動的維
持という概念が導入されました。これは,優先権主張を伴う国際出願がパリ条約の
規定する優先期間12ヶ月を超えてなされた場合であっても,国際出願日が優先期
間徒過の後2ヶ月以内である場合には,これを直ちに無効とはせず,国際段階の間,
優先権主張は維持されるものとして取り扱うものです。これにより,国際段階にお
ける期間(国内移行のための期間も含む)計算の起算日として優先日を確定するこ
とが可能となり,国際段階における手続の安定が確保されます。なお,この優先期
間徒過後に主張した優先権について,国内段階移行後において有効なものとするた
めには優先権の回復の請求をする必要があります。」との記載がある。この記載は,
パリ条約に基づく優先権主張に関する特許庁の正式かつ明白な表明であり,優先権
主張の自動的維持は,優先権主張が本来的に無効であっても,これを直ちに無効と
はせず,国際段階における期間計算の起算日として優先日を確定し,国際段階にお
ける手続の安定を確保することを目的としていること,換言すれば,優先権主張が
有効か無効か確定できなければ,優先日が確定できないことを明らかにしている。
また,「優先期間徒過後に主張した優先権について,国内段階移行後において有
効なものとするためには優先権の回復の請求をする必要があります。」との記載か
らすると,「国内段階移行後において,優先権の回復を行う」こと,すなわち,優
先権主張が有効か否かを,国内段階移行後に確定できることを特許協力条約は予定
しているのである。つまり,優先権主張が有効か無効か確定しなければ,優先権を
主張する国際出願の優先日を確定することはできず,その結果,国内書面や翻訳文
の提出期限も特定できないこととなる。
そして,優先権主張が有効となるには,①主体の同一性,②客体の同一性,③第
一国出願が正規出願であること,④第一国出願が最初の出願であること,⑤第二国
出願を優先期間内に行うことなどの要件があるところ,上記②及び④の要件は,審
査や審判での発明の内容の

主文(判決文より)

1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。
3 この判決に対する上告及び上告受理の申立てのた
めの付加期間を30日と定める。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。