審決取消請求事件

事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号平成24(行ケ)10076
判決日2012-10-29
分類知的財産 / 特許
判決種別判決
判決文が挙げた条文特許法36条6項1号
当事者原告 アルベマール・コーポレーション

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点は,特許法36条6項1号該当性(サポート要件)の有無である。
1 特許庁における手続の経緯
エチル・コーポレーションは,2001年(平成13年)3月23日の優先権(米
国)を主張して,平成14年3月15日,名称を「ヒンダードフェノール性酸化防
止剤組成物」とする発明について特許出願(特願2002-72173)をしたが(請
求項の数3,公開公報は甲1),拒絶査定を受けたので,これに対する不服の審判請
求をした(不服2008-14384)。
その中でエチル・コーポレーションは平成23年9月5日付で特許請求の範の変
更の補正(本件補正,甲2)をしたが,特許庁は,平成23年10月11日,「本件
審判の請求は,成り立たない。」との審決をし(出訴期間として90日附加),その
謄本は平成23年10月31日エチル・コーポレーションに送達された。
原告は,エチル・コーポレーションから2003年(平成15年)6月5日に本
願発明の特許を受ける権利を譲り受けたが,平成24年2月14日,本件出願に係
る出願人名義変更届を特許庁長官に届け出た。
2 本願発明の要旨
【本件補正後の請求項1】(本願発明)
「化合物の混合物を含んで成るヒンダード フェノール性酸化防止剤組成物であっ
て,該化合物の混合物が,式
【化1】
- 2 -
式中,nは少なくとも0,1,2,および3であり,場合により3より多い,
の複数の化合物を含んで成り;そして組成物が非希釈基準で,
(a)3.0重量%未満のオルソ-tert-ブチルフェノール,
(b)3.0重量%未満の 2,6-ジ-tert-ブチルフェノール,および
(c)50ppm 未満の 2,4,6-トリ-tert-ブチルフェノールを含む,
上記組成物。」
3 審決の理由の要点
発明の詳細な説明には,従来のヒンダードフェノール系酸化防止剤よりも,「向上
した酸化安定性,向上した油溶解性,低い揮発性及び低い生物蓄積性」を有するこ
とを課題とし,「非常に低レベルの単環ヒンダードフェノール化合物を含有する新規
なヒンダードフェノール性酸化防止剤組成物」である本願発明によれば,上記課題
を解決できると記載されているものと認められる。
しかし,発明の詳細な説明には,本願発明の組成物を具体的に製造し,その酸化
安定性,油溶解性,揮発性及び生物蓄積性について確認し,上記課題を解決できる
ことを確認した例は記載されていないから,本願発明が,発明の詳細な説明の記載
により,上記課題を解決できると認識できるものとはいえない。
また,従来のヒンダードフェノール系酸化防止剤よりも低レベルの単環ヒンダー
ドフェノール化合物,すなわち,「(a)3.0 重量%未満のオルソ-tert-ブチルフェノ
ール,(b)3.0 重量%未満の 2,6-ジ-tert-ブチルフェノール,および (c)5

主文(判決文より)

特許庁が不服2008-14384号事件について平成23年10月11日にし
た審決を取り消す。
訴訟費用は被告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。