事件の基本情報
| 裁判所 | 知的財産高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成24(行ケ)10204 |
| 判決日 | 2013-01-15 |
| 分類 | 知的財産 / 特許 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 特許法29条1項2号、特許法29条1項3号、特許法36条4項1号、特許法36条6項1号、特許法36条6項2号 |
| 当事者 | 参加人 大伍貿易株式会社 |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点 は,サポート要件,明確性要件及び実施可能性要件の違反の有無と,新規性及び進 歩性の有無である。 1 特許庁における手続及び本件訴訟の経緯 被告は,本件特許第4658218号(発明の名称「封水蒸発防止剤」,平成2 1年11月20日出願,平成23年1月7日特許登録,特許公報は甲14,請求項 の数2)の特許権者であった。 原告は,平成23年10月3日に,本件特許について無効審判請求をした(無効 2011-800193号)。被告は,平成23年12月14日付けで,明細書の 記載について,明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正請求を行ったところ,特許 庁は,平成24年3月30日に,「訂正を認める。本件審判の請求は,成り立たな い。」との審決をし,その謄本は平成24年4月9日に原告に送達された。 本件特許権については,平成24年3月1日を受付日とする,被告から参加人へ の移転登録がされたが,審決が被告を名宛人とするものであったことから,まず被 告が本件訴訟の当事者となり,参加人の本件訴訟への参加を得て被告が脱退した。 2 本件発明の要旨 本件特許の請求項1及び2(本件発明1及び2)は次のとおりである。 【請求項1】 B廃油を,乳化状態が少なくとも3ヵ月以上持続するようにエマルジョン化して, さらに,比重を(ρ)とすると,0.98≦ρ<1.0である水溶性液体を主成分 としたことを特徴とする封水蒸発防止剤。 【請求項2】 乳化剤がアルカリ性洗剤である請求項1記載の封水蒸発防止剤。 3 審判における原告主張の無効理由 (1) 無効理由1(特許法36条6項2号,同項1号) - 2 - ア 本件発明1及び2の「B廃油」は,一般的に広く使用される明確な技術 用語ではなく不明確であり,特許法36条6項2号の要件を満たさず,そのため, 発明の詳細な説明に記載されたものではなく,同項1号の要件も満たさない。 イ 本件発明1及び2の「水溶性液体を主成分とする」との構成は,水溶性 液体を主成分とすると,エマルジョン化した成分が封水に溶解して分離しなくなり, 本件明細書に記載された作用効果は生じなくなるから,発明の詳細な説明に記載さ れたものではなく,特許法36条6項1号の要件を満たさない。 (2) 無効理由2(特許法36条4項1号) 本件発明1及び2は,「B廃油」を用いるものであるが,当業者がB廃油を入手 することができない。したがって,発明の詳細な説明は,本件発明1及び2を実施 することができる程度に明確かつ十分に記載されたものではない。 (3) 無効理由3(特許法29条1項3号,同条2項) 本件発明1及び2は,特開2009-127355号公報(甲1)記載の発明で あるか,これに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 (4) 無効理由4(特許法29条1項2号,同項3号,
主文(判決文より)
原告の請求を棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。