事件の基本情報
| 裁判所 | 知的財産高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和2(行ケ)10092 |
| 判決日 | 2021-05-31 |
| 分類 | 知的財産 / 特許 |
| 判決種別 | 判決 |
| 当事者 | 原告 NISSHA株式会社 |
この事件の代理人
争点(判決文より)
本件の争点に関連する判断の要点は以下のとおりである。 1 引用発明等 ⑴ 引用文献1(国際公開第2011/148994号)には,次の発明(以 下「引用発明」という。)が記載されている。 「 支持体21aの一面上に粘着剤層21bが積層された,微小針付きアレイ 1を所定の時間に亘り皮膚に当てる押さえ手段21と, 前記押さえ手段21の略中央に固定された基板2と, を備え, 前記基板2上に二次元状に配置された複数の微小突起3と を備えた, - 2 - 微小突起付きアレイ1を有するデバイス20。」 ⑵ 引用文献2(国際公開第2004/108112号)には,次の技術(以 下「引用技術2」という。)が記載されている。 「 経皮吸収薬剤であるセラミドを溶解させた油性ゲル状粘着製剤及びこれを 基材上に積層した皮膚外用剤粘着シート製剤であって,皮膚に対する適度な 接着性を持ちながら,剥がし取る時に皮膚の角質細胞に損傷を与えない油性 ゲル状粘着製剤及びこれを基材上に積層した皮膚外用剤粘着シート製剤。」 2 対比 本願発明と引用発明とは, 「 支持体の上に粘着性を有する材料が形成された,皮膚に対して粘着性を有 する粘着シートと, 前記粘着シートの周辺部を除いた領域の上に貼り合わされたシート状基体 と, 前記シート状基体の上に形成された複数の微小針と を備えた, マイクロニードルパッチ。」 の点において一致し,以下の点において相違する。 〔相違点〕 粘着性を有する材料が形成された粘着シートに関し,本願発明は,油溶性 成分を含むオイルゲルが形成されたオイルゲルシートであるのに対し,引用 発明は,粘着剤層21bが積層された押さえ手段21であって,粘着剤層2 1bが油溶性成分を含むオイルゲルであるか不明な点。 3 相違点の判断 引用文献2には,美容用の皮膚外用剤粘着シートの粘着剤として,皮膚に対 する適度な接着性を持ちながら剥がし取る時に皮膚の角質細胞に損傷を与えな いために,油溶性成分であるセラミドを含む油性ゲル状粘着製剤を用いること - 3 - が記載されている。 そして,引用発明も引用技術2も,美容のためのシート状デバイスという技 術分野に属するものであるという点で軌を一にし,皮膚の角質の損傷を抑制す るという課題が共通するから,引用発明の粘着剤層21bの代わりとして引用 文献2記載のセラミドを含む油性ゲル状粘着製剤,すなわち油溶性成分を含む オイルゲルを採用し,上記相違点に係る構成とすることは,当業者が容易にな し得たことである。 また,本願発明の奏する効果は,引用発明及び引用技術2の奏する効果から 予測される範囲内のものにすぎず,格別顕著なものということはできない。 したがって,本願発明は,引用発明及び引用技術2に基いて,当業者が容易 に発明をすることができたものである。
主文(判決文より)
1 特許庁が不服2019-1287号事件について令和2年6月18日にした 審決を取り消す。 2 訴訟費用は被告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。