特許権使用差止請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号平成24(ネ)10079
判決日2013-04-10
分類知的財産 / 特許
判決種別判決
判決文が挙げた条文民法709条、特許法100条1項、特許法101条、特許法101条1号、特許法102条1項
当事者控訴人 オービックインターナショナル株式会社/被控訴人 株式会社マルヨシ鋲螺

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点及び当事者の主張
次のとおり,当審における主張を付加するほかは,原判決の「事実及び理由」欄
の「第2 事案の概要」,「3 争点」(原判決4頁19行目ないし15頁3行目)記
載のとおりであるから,これを引用する。
【原告の主張】
(1) 争点2(構成要件C充足性)について
原告は,平成22年3月ころ,東京都新宿区●●所在のマンションに設置された,
被告製品であるM-2型昇降式駐輪装置を用いて実験を行った(以下「本件実験」
という。)ところ,空ラックを昇降用柱の中途において停止させ,手を離した場合,
空ラックは静止状態を保っていた。これは,空ラックの重量と主たるばねの荷重と
がほぼ等しい状態にあることを示している。
他方,上記実験において,自転車を搭載したラックを昇降用柱の最下部まで移動
させ,自転車をラックから降ろした場合,空ラックは昇降用柱の最上部まで上昇し
た。この点,ばね製品は,それぞれ荷重(引き戻り力)が定められているものの,
必然的に一定の誤差が生じるから,オートリターン機能(自転車を下ろした空ラッ
クが上昇柱を自動的に上昇する機能)を空ラックの重量と主たるばねの荷重の差分
によって生じさせることはできない。したがって,被告製品におけるオートリター
ン機能は,昇降用柱下部に設置された,ラックを下限位置から上方に向けて勢いよ
く起動するためのコイルばねとピンから構成された発射装置によって実現されてい
るものである。
以上によれば,被告製品は,空ラックの重量と主たるばねの荷重がほぼ等しい,
すなわち,「空ラックに,人間の手で少しの力を加えるだけで昇降させることができ
る」主たるばね装置を備えており,本件発明の構成要件Cを充足する。
(2) 争点3(構成要件D充足性)について
本件実験において,自転車を搭載したラックは,昇降用柱の中途において静止し
たことからすれば,被告製品において,自転車を搭載したラックの重量と,主たる
ばね及び補助ばねの荷重の大きさの合計との差は,静摩擦力の大きさを超えないも
のいえる。
したがって,被告製品は本件発明の構成要件Dを充足する。
【被告の反論】
(1) 争点2(構成要件C充足性)に対して
本件実験は,出荷から3年弱も経過した平成22年3月ころ,遮蔽されていない
屋外に恒常的に設置,使用されていたと思われる被告製品を対象とするものである
が,対象物が被告製品の本来の機能が発揮される使用状況ないし環境にあったか否
か,保守・整備がなされていたか否かなどが不明である。そして,被告が出荷時に
おける被告製品を対象として行った,原告と同様の実験における被告製品の動作と
も異なることからしても,本件実験の結果は信用性がない。
また,ばね製品の荷重について一定の差分(誤差)が生じるとしても,空ラック
の重量と主たるばねの荷重との差

主文(判決文より)

1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。