事件の基本情報
| 裁判所 | 知的財産高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成25(ネ)10039 |
| 判決日 | 2013-09-10 |
| 分類 | 知的財産 / 著作 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 民法709条、著作権法2条1項1号、著作権法20条、著作権法112条1項、著作権法113条6項、著作権法115条、著作権法121条 |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点(2)〈著作権侵害の成否〉に関し) 「思想又は感情を創作的に表現したもの」(著作権法2条1項1号)すなわち, 著作物性は,財産関係をめぐる紛争に関する事実であり,まさに当事者の自主性・ 自律性を尊重すべき事実であるところ,被控訴人は,原審において本件インタビュ ー部分に著作物性があることを認めていた以上,自白の拘束力が認められるという べきである。したがって,自白の拘束力に反して,原告ナレーション部分,A博士 回答部分,本件字幕部分の一部について著作物性を否定したのは弁論主義に反する。 イ 複製権侵害(争点(2)〈著作権侵害の成否〉に関し) 被控訴人の被告記述部分における言葉の挿入が,仮に新たな創作的表現に当たら ず,翻案権侵害にならないとしても,複製権侵害が成立する。 ウ 名誉声望毀損行為の成否(争点(7)) 被控訴人が,本件インタビュー部分を自説の根拠として援用できるよう被告記述 部分に改変して被告書籍を出版したことは,「著作者の名誉又は声望を害する方法 によりその著作物を利用する行為」に当たり,控訴人の著作者人格権を侵害するも のとみなされる(著作権法113条6項)。 - 3 - エ 著作権に基づかない人格的利益侵害による不法行為の成否(争点(8)) 仮に,本件インタビュー部分と被告記述部分の共通部分に著作物性が認められな いとしても,被控訴人が控訴人の実施・編集に係る本件インタビューの内容を改変 し,これを控訴人が行ったインタビューの内容として,出版・公表した行為は,不 法行為を構成するというべきである。 (ア) 被侵害利益 本件インタビュー部分が控訴人の創作活動の成果物である以上,控訴人はその内 容が第三者により無断で改変されないことにつき,人格的利益を有するのは当然で ある。この人格的利益は,第三者の改変に係る部分に著作物性が認められるときは, 同一性保持権(著作権法20条)により保護されるものであるが,改変に係る部分 に著作物性が認められないからといって,上記の人格的利益が一切保護されないと いうのは妥当でなく,改変が社会的相当性を欠くような場合には,不法行為が成立 する。 (イ) 被控訴人の行為は社会的に許容された限度を超えていること 被告書籍の被告記述部分は,控訴人によるA博士に対するインタビューの内容と して,控訴人の質問とA博士の回答がそれぞれ括弧書きで記載されており,あたか も実際のインタビューの内容をそのまま引用したかのように表現されているが,実 際には,そうではなく,実際のインタビューにはない,広島と長崎の被爆者の血液 データによる遺伝子情報が利用された旨の発言があったように表現が改変されてい る。被控訴人が本件インタビュー部分を被告書籍で引用する際に,本件インタビュ ー部分の内容に改変を加えた理由は,控訴人にとって明らかでは
主文(判決文より)
1 本件控訴を棄却する。 2 控訴人の当審における予備的請求を棄却する。 3 控訴費用は控訴人の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。